アナログ媒体重視する日本の通信事情に世界が注目、ファックスは不滅か? (2/3ページ)
「それが社会人に必要不可欠なマナーだ」という台詞を聞けば、シリコンバレーの住人は大笑いするだろう。
だが日本人は真顔で沈黙してしまう。それが我が国日本の特徴なのだ。
■ 「印鑑の国」日本
筆者は商業ライターとして生計を立てている。これでも“澤田オフィス”という名の事業所を静岡市内に持っているが、同時に年の半分ほどは海外住まいだ。
だがそうであるにもかかわらず、日本国内の企業との様々なやり取りの中で、捺印書類を求められることがある。だから世界のどこにいようと印鑑は手放せないし、捺印書類だから紙に出力した状態で郵送しなければならない。
そう、日本は“印鑑の国”なのだ。それを忘れてはいけない。
そもそも印鑑を普及させたのは、戦国時代の大名と言われている。織田信長の愛用した「天下布武」とあしらわれた印鑑は有名だ。
これは大名があらゆる政策決定を打ち出すのに、効率性をもって対応しなければならないという事情があった。だが現代では、印鑑が効率性を削いでいるという側面がある。
しかし、どんなに愚痴を言ったとしても、日本社会では印鑑なしには生きていけない。
つまりBBCの記事に触発され「やり取りの全てをデジタル化しよう」と叫んだところで、印鑑の存在が真っ先に立ちはだかる。
■ ファックス付き複合機は死なず
だがそれらは、「日本が保守的な理由」のほんの一端に過ぎないとも筆者は感じている。
BBCは“未だファックスを使う日本人”に対して批判的なニュアンスで書いているが、物事には何でも“いい部分”と“悪い部分”が共存する。
まず、ファックスに関して言えば、あらゆる場面での融通が利く。手元にある資料をスキャナーに取り込んでデータ化したのち圧縮、という作業よりもそのままファックスで送ったほうが早いということは、誰しも否定できないだろう。そして、そのような場面が、ビジネスの中では案外多くある。
すなわち、「まだデータ化されてない画像を送るにはどうしたらいいのか」という問題だ。シリコンバレーでこうした問題はあまり起こらないかもしれないが、日本ではしばしば発生する。