北朝鮮市民、党本部前で抗議の切腹「警察署長に全財産を奪われた」 (2/2ページ)
そればかりか、老人にも暴言や暴力を振るい、労働者の妻に手を出し、愛人を4人も作るなど横暴の限りを尽くした。
そのあまりのひどさに、ある労働者は労働党に「信訴の手紙」を書いたが、もみ消されてしまった。また、他の人が「信訴」しようにも、カン社長は暴力団を雇っているため、怖くてそれもできない雰囲気だった。
さらに、国も「稼ぎ頭」だからという理由で、カン社長の狼藉を止めようとしなかった。そのためにさらなる被害が発生した。
同社は、平安南道の郭山(クァクサン)郡に倉庫を建設していたが、そこで働く建設労働者にカン社長は賃金を一切支払おうとしなかった。建設責任者を務めていた除隊軍人の朴さん(仮名)は、自宅と家財道具を売り払って、労働者に賃金を支払った。そしてカン社長に賃金を請求した。
ところが、カン社長は「代わりに倉庫の責任者にしてやる」と言うだけで、朴さんが立て替えた賃金の1000ドルしか支払わなかった。怒った朴さんは工場の窓ガラスを斧で割った。カン社長は「国有財産を破損した」と告発し、朴さんは懲役13年の刑に処せられた。
心優しい朴さんが、逆に理不尽な目に遭ったニュースを聞いた住民たちは怒り心頭したが、その後どうなったかは伝えられていない。これは、2005年に新義州(シニジュ)のデイリーNK内部情報筋が伝えたニュースだが、10年経っても「信訴」制度の機能不全は回復していないようだ。