病気にならないマサイ族の知恵から学ぶ
12月23日放送、「ためしてガッテン」では、病気とは無縁の人々を訪ねた。ケニアの首都ナイロビから車で移動し、人類の発祥の地と呼ばれる大地溝帯のはるか先に住むケニアの先住民族マサイ族では、人口50人で自給自足の生活を送っていた。長老たちに話を聞くと、病気はほどんどなく、マラリアなどになっても森に薬草があるので大丈夫だという。
若者たちに聞くと全員が病院に行ったことはないと答えた。マサイ族の健康状態については数十年前から世界中の学者が注目していて、理想的な体だというのだ。マサイ族はほとんど食事をとらず、ミルクを飲むという。牛の血を混ぜたミルクを飲んでいたが、これは飲んだディレクターによると肉の味がするのだそうだ。栄養成分を調べると血を入れたミルクはタンパク質が3倍、ベータカロチンが54倍、ビタミンEは11倍の数値になっていた。血をとった牛も薬草で治して、殺したりはしないのだそうだ。
マサイ族は遊牧民だが、ケニアとタンザニアの両政府がマサイ族の定住政策を進めている。マサイ族はそれに反対しているが、最近は観光ガイドなどの現金収入を得られる仕事につくものも少しずつ増え、遊牧生活を続けることが困難になりつつある。
もともとは遊牧民で、牛・羊・やぎの家畜の遊牧で生計を立てていた。しかし現在では観光ガイドや密猟監視員などの仕事をしているマサイ族も多い。伝統的住居は、牛の糞と泥をこねてつくった掘っ建て小屋に住み、小屋をサークル状に配置して、外側を木の柵で囲って村のスタイルにするのが伝統。この村全体をボマと呼ぶ。夜になると放牧していた家畜をこのサークルの内側に入れて、猛獣などから家畜を守る。
牛は通貨としても機能しており、賠償や結納、相続などでも牛の受け渡しが行われる。一夫多妻制で、牛という財産を多く持っている男は何人も妻を娶ることができるが、牛を持っていない男は恋愛も結婚も難しい。
成人男性は猛獣退治や牛の放牧を労働とし、戦いのみが男の仕事だという価値観である。他の仕事は女や子供が担当する。武器以外の道具を持ち運びすることも嫌う。そのため、外部の人が仕事を与えても拒否することが多い。
牛乳と牛の生血を主食として、野菜や魚は一切食べない。だが非常に健康だといい、この食生活や健康に世界中の注目が集まっている。