ゾンビが世界を終焉させる?ゾンビ的病原体蔓延の危険性を警告する論文が発表される(米研究)
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疫病の世界的なパンデミックの危険性は冗談などではない。だが、権威ある医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルのクリスマス号に掲載された論文は、我々の想像の遥か上をいく。米ケント州立大学のタラ・スミス博士がゾンビ蔓延の危険性について論じているのだ。
ゾンビ感染のアウトブレイクの危険
死してなおこの世をさまよい続ける生ける屍には、ゾンビ、グール、ウォーカー、呻く者などさまざまな呼び名があるが、これは医学界においてよく知られた症例であるという。その記録は1500年代まで遡ることができ、人間の血肉を求めてノソノソとさまよい歩き、呻く症状を特徴とする。
歴史を通してゾンビへの感染事例が数多く確認されているにもかかわらず、その蔓延を防ぐための資金調達は極めて難しい。「ゾンビ感染のアウトブレイク、その社会への危害、防止法と治療法などの研究があまり進んでいない」ことが背景にあるという。さらに仮にゾンビ感染に効果的なワクチンが開発されたとしても、国内には大勢のワクチン懐疑論者がいるため、それほどの効果は期待できないとスミス博士は懸念する。
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「複数のゾンビ病原体の発見が増加している事実は国際社会への警告であり、迫りつつある破滅的な疾病の脅威に対処するための研究資金の増資と、官学の連携の必要性を示唆している。」
「また、ゾンビ対策に付随する倫理的および潜在的な法的問題について率直に議論することも必要である。ゾンビや、ゾンビに噛まれたがまだ人間のままの人物を殺害することは罪に問われるのだろうか? ゾンビとの接触があったが噛まれていない人を集団で隔離することは合法であろうか? それはどのように実施されるのであろうか?」
「人類のために、そのような争いが発生しないよう努め、世界のコミュニティが一丸となって新たなるゾンビの脅威に早急に取り組まなければならない」と論文は結ばれている。
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実際にはゾンビでなくゾンビ的疫病
スミス博士はゾンビ研究や伝承の分析などを行うゾンビ研究協会の会員である。こうしたゾンビの蔓延という架空の事態を論じながら、現実の疾病について考察を促しているのだろう。ともすると退屈に思われるテーマに関心を引きつけるための巧みな方便である。
ゾンビの蔓延に最も近い現実の事態を問われて、スミス博士は最近のエボラ出血熱の大流行における手際の悪さを挙げている。それまでエボラ感染者がいなかった都市部にどこからともなく現れたこの事例では、情報周知の不手際から、世界的に様々な流言飛語や誤報が流された。それでもエボラの流行は西アフリカに限定された事態だったのである。これが世界的な流行となれば、とんでもないパニックになることは明らかだ。
エボラ出血熱のような本物の怪物に対して、我々は真剣な注意を向けなければならない。そして、それを超える真の恐怖もある…抗生物質耐性菌だ。
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via:washingtonpost・translated hiroching / edited by parumo
最近の話だが、あらゆる薬が効かない場合に使う「最終兵器」のと呼ばれる抗生物質「ポリミキシン」が効かない、致死率の高いスーパー耐性菌が中国南部で見つかったという話もある。
過去3年に渡り行われた研究で、804匹の動物のうちの5分の1、523の生肉サンプルの15%、1,332人の患者の1%からMCR-1と呼ばれる、抗生物質に強い耐性を持つ菌が発見されたのだ。
ここにきて世界の終りへの準備が整ったかのような発表が相次いでいるが、ゾンビを感染病ととらえるのなら、ゾンビが地球を滅亡させるといった博士の見解もあながち間違っていないように思えてくる。
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