1年で11万円!? 気をつけたほうがいいCDレンタルの延滞料金、マックスはいくら?

学生の窓口

音楽や映画を手軽に楽しめる「レンタル」。まとめて借りて割り引きになったのに、返すのが遅れて延滞金… 1枚だけにしておけば良かった、なんて経験が一度はあるでしょう。

もし1年間「延滞」したら、いくら払わなければならないのでしょうか? 多くのレンタルショップでは、延滞料は借り直したのと同じぐらいの金額なので、300円×364日なら約11万円、CD何枚買える? な金額を請求されてもしかたがありません。ただし延滞料を「上限なし」にすると消費者契約法違反となり、利用者を「一方的に害する」と判断されて無効扱い。規約や品物によって異なりますが、借りたものの「定価」ぐらいが目安になりそうです。

■延滞料11万円は「あり」?

毎週のように新タイトルが登場するレンタルショップは、映画や音楽好きなひとにとって有り難い存在といえるでしょう。ときどき「本日、旧作100円」なんてメールが届き、調子に乗ってまとめ借り、気がついたら返却期限を過ぎていたなんてことがないように注意したいものです。

もし長期間「延滞」したら、いくらかかるのでしょうか? お店によって料金体系が異なるので、

 ・レンタル料金 … 1泊2日、300円/枚

 ・延滞料金 … 1日につき300円

と仮定すると、364日返却が遅れたら109,500円! 総額およそ11万円にもなってしまいます。ブルーレイの新作映画は5,000円が相場でしょうか、初回限定版などでも7,000円ぐらいですから、15~20枚が買える金額。だったら最初から「買えば良かった」と後悔するでしょうが、残念ながら自業自得とあきらめるしかありません。

■「上限なし」は消費者契約法違反

延滞料は「無制限」に払わなければいけないのでしょうか? かりに2年間忘れていたら20万円以上になる計算ですが、答えはNo。上限なく加算される仕組みにすると「暴利」とみなされ、請求を拒否できるのです。

これは消費者契約法・10条によって、

 ・消費者の義務をむやみに加重してはいけない

と定められているからで、いくら長期間延滞したとはいえ、上限なく日数に比例するような料金システムは暴利行為とみなされるのです。一般的には、入会時に渡される「会員規約」に「何日分」などと決められていますので、まだ返していなかった! と気づいたら、まずは規約を確認しましょう。

もし上限が定められていなかったら「いくら」払えば良いのでしょうか? 必ずしも日数分支払う必要はありませんが、その商品がなかったために起きた損害、に相当する金額が焦点となり、

 ・新作 … 借りるひとは多いが、一定期間を過ぎたら「新作」とは呼べない

 ・旧作 … 借りるひとも少なく、もともと「貸し出し期間」が長い

など、価値や回転率から判断され、あまり人気のない旧作なら「定価」ぐらいが妥当、と考えるべきでしょう。

いずれにせよ「この場合はいくら」と決められる話題ではありませんので、最終的にはお店との相談になりますが、2年経ったから730日分! はナシですので、落ち着いて話し合いに応じましょう。

■まとめ

 ・レンタルショップの延滞料金は、日数に比例するとは限らない

 ・無制限に加算すると消費者契約法違反

 ・会員規約で「上限」が定められている場合がほとんど

 ・上限が決められていなくても、延滞による損害を大幅に上回る請求は拒否できる

(関口 寿/ガリレオワークス)

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