東京女子流・小西彩乃”卒業コメント”に隠された平成アイドルの苦悩

デイリーニュースオンライン

2016年は4人で活動を行う「東京女子流」
2016年は4人で活動を行う「東京女子流」

 5人組のアイドルグループ『東京女子流』の小西彩乃(18)が、グループを卒業し芸能界も引退することが分かった。小西は持病の腰痛を抱えており、治療に専念するために今年6月から活動を休止。復帰に向けて治療を続けていたが、突然の卒業発表。小西は事の経緯を公式ホームページにこう綴っている。

「東京女子流として同じ夢を目指して頑張っていける自信がなく、4人がこれからもっと上を目指していこうとしてるのに、私がこんな中途半端な気持ちでやっていくのは申し訳ないし、足を引っ張るだけじゃないかと思い、今回の決断をさせてもらうことになりました」(公式ホームページより抜粋)

順風満帆に見えた東京女子流の闇

 東京女子流は2010年にデビュー後、2012年12月22日には日本武道館での単独公演を開催。女性グループの日本武道館公演最年少記録を樹立し、翌年も2年連続となる武道館での単独公演を実施するなど、人気グループへの階段を一気に駆け上っていった。順風満帆に見えたシンデレラロードだが、そううまくはいかなかった。某音楽ライターが当時を振り返る。

「ももいろクローバーの台頭でアイドル人気が絶頂だった2012年頃、東京女子流もしっかりとその波を捉えていました。その証拠が、最年少記録を樹立した日本武道館の単独公演です。ですがその矢先、2013年は彼女たちにとって苦しい年となった。年間を通してパフォーマンスがパッとせずに、ファン離れが加速。2年連続での武道館と言われてはいますが、実際は空席だらけだったのを思い出します」

 2013年はメンバーの体調不良などが続き、十分なパフォーマンスを見せることができなかったと言われている。しかしその裏には、アイドルならではの悩みが存在していたと、前出の音楽ライターが指摘する。

”平成アイドル”が抱えている苦悩

「彼女らがデビューしたのは10代前半。人気絶頂の中でパフォーマンスを続けていく上で、世間一般的なアイドルという捉え方と、自身が捉える女性とのイメージにギャップを抱くようになっていたと言われています。アイドルを演じることが苦痛になり、そこから各々のパフォーマンスが低下していったと見る芸能関係者がいるほどです」

 こうした彼女らの気持ちを汲んだかは定かではないが、東京女子流は今年1月5日に〝アーティスト宣言〟なる活動スタイルを発表。『アイドルフェスへの不参加』『アイドル雑誌には出ない』『アイドル色の強い楽曲の封印』『メンバーが楽曲制作に関わる』など、アーティストとして活動していくとしたのだ。

 しかし、今度はこの宣言にファンが戸惑いを示す。「10代でのデビューはまさにアイドルそのもの。アイドルとして応援していたのに、急にアーティストと言われても応援しきれない。これではファンは離れる一方です。運営は迷走していると言わざるをえない」(前出・音楽ライター)

 アイドルグループには、若くしてデビューするがゆえの根強い問題があるのかもしれない。今回卒業を発表した小西の心情はわかないが、卒業コメントには以下のような記述がある。

「デビューした頃は、本当に子供で、何も考えずに歌って踊って楽しくやっていけたけど、だんだん体が成長していくにつれて、自分が自信をもってやってきた歌がうまく歌えなくなって、歌って踊ることの大変さに気づいてからずっと不調だったけど、時間は止まってくれない」(公式ホームページより抜粋)

 メンバー卒業という転機をきっかけに、東京女子流の復活を期待したい。

(取材・文/北川愛)

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