【シリアの日本人ジャーナリスト拘束】"身代金要求説"はデマだと断定できる根拠と経緯 (3/3ページ)
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』
これらのつぶやきを読むと、ビルト氏の動きや身代金要求説の信憑性がいかに怪しいものか、ということが充分にわかる。焦って常岡にメールしてきたことからしても、身代金要求説はビルト氏のでっち上げたデマだと断定して間違いない。
一方、報道に対しての日本政府のリアクションはというと、24日時点での菅官房長官が記者団に語ったコメントだけだ。
『邦人の安全確保は政府の重要な責務でありますので、さまざまな情報網を駆使して全力でいま対応につとめているところであります』
そう答えるだけで、デマだということを認め火消しにつとめたりはしていない。そんなわけで、今のところは、国境なき記者団のサイトで報じられた「身代金要求説」が否定されることなく、まだ一人歩きしている状態である。こうした流れは、2008年に降ってわいた「辻出紀子さんは北朝鮮にいる」説(http://n-knuckles.com/case/doubt/news002139.html)の報道を彷彿とさせる。
あのときは、北朝鮮の政府筋だかが彼女の名前を口にしたことから、わっと広がり、当時の官房長官がコメントするまでの騒ぎとなった。しかもそれが火消しされることはなく、特定失踪者としてリストアップまでされる事態となった。そうした状態は僕やこだわりジャーナリストさんが「デマだ」ということを紹介した現在もなお続いている。辻出さんは特定失踪者リストから除名されることなく、今も載せられたままだ。
あと、これは余談だが、常岡浩介と辻出紀子と筆者は1998年当時、辺境系のメーリングリストでやりとりする仲であった。そのことは安田純平の事件とは関係がないが、因縁めいたものを感じたので紹介した。
さて。話を常岡の書き込みに戻そう。今回は常岡浩介がデマだと言うことを素早く突き止めてくれて、本当によかったと思う。これを受けて日本政府がデマだと認めるべきなのだが、「全力で」というなら常岡にもコンタクトすればいいのに、そうした動きはない。というか、全力で対応していれば半年もたっていないはずではないだろうか。
もうこの際、プライドとか沽券とかどうでもいいから日本政府は、デマだということを一刻も早く認めてほしい。そうしてくれないと、シリア側の武装勢力がへんな動きをみせ、安田さんの命が危険に冒されかねない。
※常岡の情報によると、12月初旬の時点で安田さんの生存を確認しているとのこと。(文中敬称略)
Written&Photo by 西牟田靖