平子理沙、橋本愛、夏帆...「劣化」の声に苦しむ負のスパイラル
若い頃や全盛期と比べ、容姿が著しく悪い方向へ変化することを「劣化」と呼ぶが、その適用範囲がどんどん広くなっている。アラサー、アラフォーの女性芸能人だけでなく、最近では20代の女優やアイドルにまで使われるようになり、2015年も多くの女性芸能人が「劣化した」と話題を振りまいた。
「平子理沙はビニール人形化みたい」
2015年12月22日、吉田栄作(46)との離婚を発表したカリスマモデルの平子理沙(44)。“奇跡の40代”の異名を持ち、女性からの人気が高い平子だが、2015年はテレビやイベントの露出が多く、
「雑誌とテレビで容姿があまりにも違う!」
と話題になった。離婚報道に際して平子はミヤネ屋のインタビュー取材に応じているが、テレビの画面で平子を観た視聴者からは、
「肌質が、ビニール引っ張ったみたいになってる」
「ビニール人形化みたいだ」
と、肌の質感を巡って辛辣な意見があがった。平子は以前から整形疑惑が絶えず、不自然なほどピーンと張った頬はボトックスの打ち過ぎではないかとも言われている。
動画での平子を観たファンの女性たちからは、
「雑誌と顔が違う」
「テレビは出ないほうがいい」
「劣化がひどい」
と、平子の美しさは“雑誌”の中だけ表現して欲しいという声が噴出した。離婚報道きっかけの劣化バレで、好感度を大きく下げてしまった格好だ。
2015年6月に公開された映画『海街diary』。綾瀬はるか(30)、長澤まさみ(28)、夏帆(24)、広瀬すず(17)と豪華女優の競演が大きな話題となったが、夏帆だけが別の意味で注目された。完成披露試写会に出席した4人の模様をメディアが報じたのだが、ネット上では「夏帆の容姿が激変した」と大きな騒ぎとなったのだ。
「夏帆ふけたなあ 昔めっちゃ好きだった」
「ナチュラル美少女はどこへ……」
「髪型が和田アキ子」
と、10代のイメージからガラッと変わってしまった夏帆を残念がる声が多くみられた。もともとロングヘアで清純派のイメージが強かった夏帆だが、この日の髪型は前髪ぱっつんのおかっぱ頭。真っ赤な口紅をひいて、真っ赤なドレスを着用していた。ほかの3人があわい色のドレスで出席しているところ、悪目立ちしてしまった結果だ。
一方、激太りで劣化が騒がれたのが、『あまちゃん』(NHK)でお茶の間の知名度をぐっと上げた橋本愛(19)。橋本は、顔だけでなく全身くまなく肉がついてしまい、
「輪郭がえらいごつくなった」
「ハイキングウォーキングの鈴木Q太郎みたい」
と、巨体化したことに悲痛の声が。もともと美少女キャラを売りにしていた橋本の変化に嘆きの声が上がった。
女優やタレントとして美しくあり続けるのは、“芸能”という仕事の性格上、なかなか避けては通れない道だ。
「過剰な“美へのこだわり”が、新たな疾患を生み出すこともある」
と警鐘を鳴らすのは、他ならぬ“美”のプロフェッショナルである美容整形外科医だ。
「美しさに固執するあまり、行き過ぎると『身体醜形障害』になってしまい、“美しくない自分はダメだ”という強迫観念に悩まされてしまうケースもあります。こうしたマインドになってしまうと、たとえ整形しても満足いくことはほとんどない。結果、鬱病になることもあります。女性芸能人やタレントは仕事柄、外見を磨き上げなくてはいけないでしょうが、気にしすぎると今度は別のリスクや落とし穴が待っているわけです」
ある芸能関係者は、森高千里を引き合いに出してこう語った。
「年を重ねれば容姿が変化するのは普通のこと。それを『劣化』と揶揄されてしまう女性芸能人のストレスは相当なものですし、そのストレスが過食や肌荒れを招いて、『劣化』につながる。完全に負のスパイラルなんです。最近驚いたんですが、森高千里さんも苦労されてるのではないか、と感じたことがありました。フジテレビの亀山社長の肝いりで音楽番組のMCに抜擢されたものの、どうにも視聴率が振るわない。そのストレスが影響しているのか、ほうれい線や頬骨が以前より目立ってきた印象を受けたんです。森高さんが劣化した、と言いたいのではありません。あの森高千里ですら、容姿を維持するのは困難なんだという現実をもっと認識しなければならない」
劣化問題に関しては、2015年9月、爆笑問題の田中裕二がラジオ番組『JUNK 爆笑問題カーボーイ』(TBSラジオ)にて、
「女性芸能人の容姿に対して“劣化”という言葉を使うことが、どんだけ人を傷つけているかを自覚して使え」
と苦言を呈したことも話題となった。芸能人はパッと見の外見が人気やイメージに直結しがちな商売であるがゆえ、そこで評価されるのは仕方がない面はあるものの、「人気商売だから」では割り切れないものが、そこにはあるのだろう。老けたり、太ったりすることに対して皆が寛容になった社会ほうが、確かに生きやすそうだ。
(文/タナカアツシ)