【心理学のプロが教える】「イヤイヤ期」が数多くのママを苦しめる理由
子どもの“イヤイヤ”にママも“イライラ”。通るべき道だと分かっていても、イヤイヤを連発されれば、イライラもしてしまうものですよね。
特に、初めてのイヤイヤ期を経験中のママにとって、大きな悩みの種になっている方は多いのではないでしょうか。
今日は、子どものココロ専門の育児相談室『ポジカフェ』を主宰する筆者が、現在進行形で子どものイヤイヤ期に「もう限界!」と疲労困憊しているママに知っておいてほしい“本当に苦しいときの対処法”をお伝えしていきます。
■そもそもイヤイヤ期って何?
イヤイヤ期は、『魔の2歳児期』『第一反抗期』などとも呼ばれます。英語では『Terrible twos(テリブル・ツー)』。そのままズバリ、テリブルな2歳児! 世界中のママたちが同じように奮闘しています。
一般的には1歳後半~2歳前半にはじまり、2歳後半~3歳ごろ終わると言われていますが、私のカウンセリングでの経験から言えば、3歳代がピークというケースが多いような気がします。“魔の2歳児”ならぬ“魔の3歳児”です。
この時期の子どもたちは、体力もついてきて、自発的に動き回れるようになります。それと並行して、心の中でも自立しようという動きが起こります。
しかし、心の自立は体ほどスムーズには進みません。アクティブに動く体に任せてママから離れると、途端に寂しくなってしまう……。自分でやりたいのに、実際にはまだできない……。そんな自立し切れていない自我との葛藤、それが“イヤイヤ期”なのです。
■数多くのママを苦しめる理由
育児書などでイヤイヤ期の対処法を読み、“イヤイヤ期は心の成長期。わが子の変化をちゃんと受け入れなくちゃ”と感じている方も多いと思います。
たしかに、正論では、“わが子の成長期を受け入れるべき”なのでしょうが、目の前でイヤイヤを連呼されてしまうと、そんな決意も崩れてしまいますよね。そして崩れた自分にダメ出しをし、自己嫌悪に陥る……。そんなパターンを繰り返し、もう限界だと感じている方もいると思います。
普段、育児相談などでお話しを聞いて感じるのは、苦しんでいるママは共通して“まじめ”で“自分に厳しい”ということです。
まじめな性分ゆえに、“子供の成長を母親としてしっかり受け止めなくてはいけない”と感じやすく、それに沿った行動が取れないと自分を強く責めてしまいます。
そんなママは、イヤイヤ期がポジティブな成長なのだと分かっているからこそ、それをネガティブに踏みにじってしまう自分がイヤでどんどん苦しくなってしまうのです。
そんなときどうしたらいいのでしょうか?
■ホントに苦しくなってしまった時のアドバイス
人間は相手にされたことを繰り返す傾向があります。つまり、“叩かれたら、叩き返す”のような感じです。
それゆえ、魔の2歳児の強いイヤイヤに対し、ママもダメと強く跳ね返したくなるのですが、ご存知の通り、“倍になって”返ってきます。いったん、その連鎖がスタートしてしまうと、母子共に収拾がつかなってしまうんですね。
なので、本当に苦しくなったら、怒鳴り返すよりはスルーする方がずっと賢明です。他の部屋(キッチンなど)にまず身を引き、物理的にお子さんから離れるのもいいでしょう。そこでチョコレートを食べてお茶でも飲めれば、かなり気持ちがリセットされるはずです。
しかし、なにより効果的なのは、自分への厳しさをゆるめてあげることです。
心理学では「○○すべき」「○○しなくちゃダメ」という思いは、ストレスを引き起こす第一要因であると言われています。イヤイヤ期にママが“どんなことがあっても子供を受け入れるべき”と自分に強いプレッシャーをかけると、それができなかったときにどんどん辛くなります。
人間は、ロボットでもないし、コンピューターでもありません。ときに取り乱したり、言い過ぎたり、うまくできないことがあるんです。
「こんなこともある」「またやっちゃった」と失敗することもある自分を許容してあげる気持ちが、本当に苦しい状態から抜け出すためのなによりの処方箋です。あなただけではありません。イヤイヤ期は、どんなママもたくさんの失態をしていますよ。
いかがでしたか?
正論や理想像を求めすぎてしまうと、育児は味気ないものになってしまいます。あなたらしくていい。失敗してもいい。それが日々の育児の彩りになっているのですから。
【著者略歴】
※ 佐藤めぐみ…専門家ライター。育児相談室『ポジカフェ』主宰。最新心理学を用いた叱り方メソッド、やる気アップ法、育児ストレス診断などが専門。著書に『子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣』など。
【画像】
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