邦画も負けてない! 海外に誇れるおすすめ日本映画10選

学生の窓口

邦画というと、海外に比べて低予算な作品が多いため、地味な印象が強いのでは?確かにど派手さはあまりありませんが、その分人間の心理に深く踏み込んでいたり、アイデアが光っていたり、楽しめる作品がたくさんあるんですよ!

■第10位 キサラギ

とあるビルの一室に、五人の男たちが集まった。互いに面識は無く、知っているのはハンドルネームだけ。家元、オダ・ユージ、スネーク、安男、いちご娘の5人は、D級マイナーアイドル・如月ミキの一周忌を執り行うべく集まった。 如月ミキはマネージャーの留守番電話に遺言のようなメッセージを残し、自宅マンションに油をまき焼身自殺した……はずだった。ところが、オダ・ユージは、彼女は自殺したのではなく「他殺だった」と言い張る。オダ・ユージはどうやら、そう言い切れる手がかりを掴んでいるらしく……。

5人の個性的な俳優によって展開される密室推理劇。彼らが自分の知っている情報を小出しにしていくことで、如月ミキの死の真相と、彼ら5人の“正体"が徐々に明らかになってきます。推理物でありながら、ついつい笑わずにはいられない作品。如月ミキの「スタイルも特別いいわけではなく、演技も歌も下手。唯一のチャームポイントのぱっちり二重はプチ整形」という“取り柄の無いアイドル"という設定が光っています。

監督:佐藤祐市
脚本:古沢良太
音楽:佐藤直紀
出演者:小栗旬/ユースケ・サンタマリア/小出恵介/塚地武雅/香川照之

■第9位 色即ぜねれいしょん

みうらじゅんの同名小説を映画化。主人公の乾純は、ボブ・ディランを愛する根っからの文化系高校1年生。しかし純の学校ではヤンキーや体育会系の学生たちが幅をきかせており、純はさえない毎日を送っていた。そんなある日、純は同じくぱっとしない友達の池山と伊部から「フリーセックス主義の島に行かないか」と誘われる。そして純は島で美しい少女“オリーブ"や、島の宿を管理する“ヒゲゴジラ"に出会う。家庭教師の"ヒッピー"とタバコをふかしながら、モヤモヤした毎日に、純は何を見いだすのか。

キャッチコピーは「青春は、モヤモヤするほど、ドキドキする。」 主題歌は村八分の代表作『どうしようかな』を、主演の渡辺大知(黒猫チェルシー)、峯田和伸(銀杏BOYZ)、岸田繁(くるり)がカバー。夏休みに銀杏BOYZの峯田と出会って、家庭教師がくるりの岸田で、片想いしている女の子が臼田あさみ……という、ロックを愛した少年少女だった人にはたまらない作品。青春のモヤモヤとロック少年の妄想を見事に描き出した作品。見ればきっとあなたのどこかがむずむずするはず!

監督: 田口トモロヲ
脚本:向井康介
音楽:大友良英

■第8位 下妻物語

孤高のロリータ、桃子は天才的な刺繍の才能を持ち主。勉強ができ、進学校に通っているものの、両親は離婚、ついていった父親は典型的なダメ親父。「人は一人で生きていくもの」というポリシーのもと己のロリータ道を貫いていた。一方、バカなヤンキーでありながら、熱い心と純粋さを持ったイチゴ。実は両家のお嬢様でかわいい名前がコンプレックス。 ある日、桃子の父親が作ったベルサーチの偽物を買いに来たイチゴ。伝説の刺繍家に「ありがとう」と刺繍してもらった特攻服を着るために、刺繍に詳しい桃子を引きずり回します。

何もかも正反対の二人の間に芽生えた友情を描く物語。 獄本のばらによる同名小説を映画化。舞台は茨城県下妻市。主演は深田恭子と土屋アンナ。 メーカー名などに施されている音声加工、コミックアニメーションの挿入、原色を強調しパステルカラーを多用した画面の色彩が独特の空間を演出し、それがコミカルな世界観とぴったりマッチしています。国際的な評価も高く、カンヌ国際映画祭の青少年向けコンペ「カンヌJr.フェスティバル」でグランプリを受賞。これは邦画初の快挙で、現地フランスの映画館100館で上映されました(これも邦画では過去最大)。

監督: 中島哲也
脚本: 中島哲也
音楽:菅野よう子
出演者:深田恭子、土屋アンナ、宮迫博之、篠原涼子、樹木希林

■第7位 トリック劇場版

売れない“自称"天才マジシャン山田奈緒子と、『どんと来い、超常現象』でおなじみの物理学者、上田次郎のコンビが、日本各地に残る災いの伝説や秘宝、超能力者と対峙し、その「トリック」を暴くという人気シリーズの劇場版。 300年に一度、亀によって災いがもらされるが、神によって救われるという伝説が残る糸節村。不安にとりつかれた村民を救うべく、村の青年団長神崎は、無名のマジシャン山田に「神様を演じて欲しい」と頼み、大金をつむ。 一方上田は高校生の同窓会で、同級生が埋蔵金に関わるとおぼしき遺言を残し殺害されるという事件に遭遇する。その後、『どんと来い、超常現象』の取材で糸節村を訪れた上田は山田と出会い、山田の推理の元、糸節村に眠る「埋蔵金」を探す。

同シリーズは4作の映画と3シリーズのドラマに加え特別編なども制作されており、人気作品でありながらどこから手をつけていいのか分からないという方も多いのでは? この「トリック劇場版」は、テレビドラマ版の人気回を映画化したもの。推理物のまとうダークさと悪ふざけが随所に見えるこの映画が好きなら、他のどのトリックを見ても“ハマる"はず!

監督:堤幸彦
脚本: 蒔田光治
音楽:辻陽
出演者:仲間由紀恵/阿部寛/生瀬勝久/山下真司/芳本美代子/竹中直人/ベンガル/石橋蓮司/伊武雅刀/野際陽子

■第6位 ボーイズ・オン・ザ・ラン

主演はロックバンド「銀杏BOYZ」の峯田和伸。原作コミックのファンであることを公言しており、エンドロールで流れる主題歌「ボーイズ・オン・ザ・ラン」をこの作品のために書き下ろしました。 田西敏之は玩具メーカーに勤める27歳。常に妄想に浸っている絵に描いたようなダメ男。職場の飲み会をきっかけに、かわいい後輩、植田ちはるとの距離を縮めていく。お互いが思いを寄せ合う中で、田西は持ち前のダメ男っぷりを発揮してしまう。植田は会社に出入りのあった超一流メーカーにつとめる営業マン青山と付き合い、もてあそばれてしまう。怒り心頭の田西は、ボクシングに精通する職場の鈴木に"サラリーマンアッパー"を伝授してもらい、ついに青山と対決するのだが……。

「ダメ男だけど、芯がある」男をやらせたら峯田和伸が一番なんじゃないかと思うくらいのはまりっぷり。どんなにかっこわるくても、一度決めたことは必ずやり通す熱さに共感する人も多いのでは? エリート営業マンを演じる松田龍平のクールさと残酷さ、そして寡黙なパンチドランカーを演じる小林薫も必見です!

監督:三浦大輔
脚本:三浦大輔
出演者:峯田和伸/黒川芽以/YOU/松田龍平/小林薫/リリー・フランキー


■第5位 リリイ・シュシュのすべて

舞台は美しい田園の広がる地方都市。ちょっと内気で口数の少ない中学生の蓮見雄一は、同級生の星野修介からいじめを受けている。雄一は、スポーツ万能、成績優秀、生徒会長まで務めた修介の豹変ぶりにとまどいを隠せない。日々「リリイ・シュシュ」の楽曲を聴くことに救いを見いだし、「リリフィリア」というファンサイトを主催するほど彼女に心酔している。 修介によるいじめは日々エスカレートし、現実はどんどん過酷になっていく。現実から遊離していく心を、ファンサイトで出会った【青猫】と通わせていく。そして雄一はついに、リリイのライブで【青猫】と対面するのだが……。

原作は監督岩井俊二による小説と、誰でも書き込みができるインターネット掲示板を利用して作られた実験的なインターネット小説。思春期の少年少女を取り巻く問題を、みずみずしく、残酷に描いています。リリイ・シュシュの楽曲はSalyuが担当。少年たちが盗作する非現実的な世界を演出しています。また、それとは別に劇中に使われているドビュッシーの楽曲は、優しく、痛々しいほどまでに繊細な彼らの心をあらわしているかのよう。まだ幼さの残る市原隼人と蒼井優の透明感にはただただ溜息が出るばかり。暴力や援助交際、自殺なども取り扱われる作品ですので、重ためな内容が苦手な方はご注意を。

監督:岩井俊二
脚本:岩井俊二
音楽:小林武史
出演者:市原隼人/忍成修吾/蒼井優/伊藤歩/大沢たかお/稲森いずみ

■第4位 ウォーターボーイズ

主人公は廃部寸前の唯野水泳部唯一の部員、鈴木智。ある日、美人教員佐久間恵が顧問に着任。すると今まで誰も見向きもしなかった水泳部に30人が集まった。ところが佐久間は、集まった部員たちにむけてシンクロナイズドスイミングの指導を始める。戸惑いを隠せない部員たちは次々と退部。残ったのは部長の鈴木、お調子者で半端者の佐藤、ひょろひょろのダンス少年太田、カナヅチでガリ勉の金沢、女の子っぽい早乙女。5人は学園祭に向けて泣く泣く練習を始めるのだが、うまく行かないことばかりで……。

埼玉県にある男子校が毎年文化祭で行っているというシンクロ公演がモデル。アフロ姿と大きなほくろがトレードマークの玉木宏に衝撃を受けるはず。ダメ男役の多い印象の妻夫木聡ですが、この作品ではダメ男度は低いかも? 100館を超える映画館で6ヶ月以上上映されました。本作がヒットをとばしたため、後に3回ドラマシリーズとして映像化されますが、やはり第一作目のこの映画が、コンパクトで衝撃的、かつ爽快感がぎゅっと詰まった一番の名作だと思います。

監督: 矢口史靖
脚本: 矢口史靖
音楽:松田岳二/冷水ひとみ/田尻光隆
出演者:妻夫木聡/玉木宏/三浦哲郁/近藤公園/金子貴俊

■第3位 ジョゼと虎と魚たち

大学生の恒夫は雀荘のアルバイト。ある日、大きな乳母車を押して歩く老婆の話題を耳にする。その後偶然、恒夫は噂の老婆を見かける。乳母車の中身はなんと美しい少女・ジョゼだった。 足が悪いジョゼはあまり外に出たことがない。老婆は足の障害を人に見られるのを「恥さらし」だと思っているからだ。本が大好きで、ちょっとひねくれもののジョゼに心惹かれていく恒夫。老婆の死をきっかけに、ジョゼがいよいよ放っておけなってしまう。二人は交際を始め、ある日恒夫の実家へ行くために旅に出るのだが……。

原作は田辺聖子の短編小説。主題歌はくるりの名曲「ハイウェイ」。優柔不断な主人公恒夫を演じるのは妻夫木聡。ひねくれもので大胆、奔放なジョゼを池脇千鶴が演じます。 ちょっとエロティックで、切ない恋の物語。いままでほとんど外に出たことのなかったジョゼにとって、恒夫との旅はどれほど楽しいものだろう、また、別れてしまっても、一生忘れられない恋人がいたっていうのは素敵だなあ・・・と思わされる作品。

監督:犬童一心
脚本:渡辺あや
音楽: くるり
出演者:妻夫木聡/池脇千鶴/上野樹里/新井浩文/新屋英子

■第2位 七人の侍

時は戦国時代。度重なる戦によって行き場を失った武士たちの一部は野武士と呼ばれる盗賊と化していた。とある農村の村人たちは、この野武士たちの略奪におびえていた。村の若者のすすめに従い、長老は野武士と戦うことを決意。若い村人たちは、行く当てのない浪人を雇うべく町に出る。 町で出会った心ある初老の浪人勘兵衛に村の状況を訴える若者たち。しかし、村人たちが差し出せるのは日々の食事と住まいだけだった。そんな条件では誰も雇えないと一蹴する勘兵衛だったが、同宿の人足の一言で彼らの頼みを聞くことを決意する。そして、村を守るために最低必要な七人の侍が勘兵衛の元に集まった。

見返りを求めない侍たちの戦いを描いたドラマ。 当時の通常映画作品にかける七倍もの費用をかけているので、「低予算」のくくりからは若干外れているかもしれませんが、イタリア、アメリカ、フランスでも上映された世界に誇るべき一作なので選出しました。名優・三船敏郎の演技を初めて観る人は衝撃を受けるはず。こんなに存在感のある役者さんは、そうそういないはずです。 それまで歌舞伎などに多くの影響を受けていた黒澤監督は、リアリズムを追求しようと本作を撮影しました。そのため、ラストシーンは共闘した農民たちと侍のその後としての「リアルさ」が感じられるものとなっており、ただただ感心するばかりです。

監督:黒澤明
脚本:黒澤明
音楽:早坂文雄
出演者:三船敏郎/志村喬/加東大介/木村功/千秋実/宮口精二/稲葉義男

■第1位 陽炎座

新派の劇作家・松崎は不思議な縁で妖艶な美女・品子に出会う。偶然を重ね、一夜を共にする二人。ところが、訪れた品子の部屋は松崎の知る玉脇という男の部屋そのものだった。松崎は玉脇が品子のパトロンだったことを知る。しばらくして、品子から「出した覚えの無い」手紙が松崎の元に届き、二人は金沢で再会する。二人の関係をおもしろがった玉脇は松崎に品子との心中をしつこく迫る。玉脇のもとから逃げ出した松崎は、ひょうひょうとしたアナーキスト和田と、不思議な祭り囃子に導かれ、芝居小屋・陰陽座を訪れる。そこで松崎が見たものは、果たして夢か、現実か……。

日本の独特な幽遠の文化を見事に映像化することができる監督・鈴木清順の代表作。難解な物語進行と、独特のカメラワーク、そこから生み出される美しい映像の一コマ一コマに心を奪われます。特にラストシーンは息をのむ美しさ。「大正浪漫三部作」と呼ばれる『ツィゴネルワイゼン』『夢二』もオススメです。 また、男気にあふれ、熱い演技が売りのアクション俳優として人気を誇った松田優作に対し、監督は直径1mの円を描いて見せ、「この中から出ないような演技をしてください」と指示。松田優作はその高い演技力で指示に適応、どこか物憂く、狂気をはらんだ松崎を見事に演じ上げました。

監督:鈴木清順
脚本:田中陽造
音楽:河内紀
出演者:松田優作/大楠道代

いかがでしたか? 有名作品から、ちょっとマイナーどころまで幅広く集めてみました。どれも見れば知り合いに話したくなるようなユニークなものを集めたつもりです。これまでの邦画のイメージが変わるかもしれません!

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