「民泊特区」に業界の反発…政府の準備不足も露呈 (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

混乱の背景に「業界の反発」と「政府の準備不足」

 なぜこんな中途半端な規制緩和になってしまったのか。

「規制緩和に対しては、ホテル・旅館業界からの反発が非常に強い。既存団体への配慮とホテル不足の解消を天秤にかけた結果、中途半端なところに着地してしまった。業界は民泊に客を奪われることを危惧していますが、政府はそれを黙らせるだけの説得材料を用意できなかった。また、ホテルや旅館は業界内の結びつきが非常に強く、個人運営の民泊を毛嫌いしている部分があります。ある組合団体は『急増する民泊を阻止しよう』というスローガンを掲げていたほどです」(ホテル業界関係者)

 規制緩和の「抵抗勢力」といったところだが、既存業界が反発するのも理解できる。特区法で民泊が認められれば、ホテル・旅館よりも設備面や防災面ではるかに低コストに運営できる。税金面に関しても格安となる。

 今までルールを守ってやってきたのに、突然参入してきた個人運営の業者が優遇されるとなれば納得がいかないだろう。都市部のシティーホテルは稼働率が高いが、地方のホテルや旅館は空室も多いだけに「ホテル不足だからいいだろう」といわれて折れるわけにもいかない。

 だが、オリンピックに向けて観光地のホテル不足が深刻化していくのは間違いない。本来なら既存業界に十分に配慮しつつ、観光客のニーズに合った条件で民泊が展開できるのが理想だったが、準備不足と見切り発車が露呈してしまった。

 現状の「最低6泊7日以上の滞在」という条件が使いモノにならないのは明白であり、性急な再考が求められる。だが、今まで問題を先送りしていた政府が素早く対応するとも思えない。まごまごしているうちに、ルール無視の悪質な民泊業者だけが甘い蜜を吸っている状況になってしまうだろう。

 せっかくのオリンピックなのに何もかも準備が遅く、メイン会場の新国立競技場もやっとデザインを決めて今から造るといっている。民泊をめぐる騒動だけでなく、東京オリンピックは問題山積といえそうだ。

佐藤勇馬(さとうゆうま)
個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、ネットや携帯電話の問題を中心に芸能、事件、サブカル、マンガ、プロレス、カルト宗教など幅広い分野で記事を執筆中。歌舞伎町や新大久保をホームグラウンドに飲み歩くのが唯一の楽しみ
「「民泊特区」に業界の反発…政府の準備不足も露呈」のページです。デイリーニュースオンラインは、社会政治東京オリンピック社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る