「民泊特区」に業界の反発…政府の準備不足も露呈 (1/2ページ)

デイリーニュースオンライン

「airbnb」に登録されている国内の民泊施設
「airbnb」に登録されている国内の民泊施設

 2016年を迎えて東京オリンピックまで4年となり、訪日外国人も急増するなか、各地のホテル不足が問題視されている。ただでさえ近年は国内旅行の増加でホテルの稼働率が上がっており、年間2000万人に迫った海外からの観光客が今以上に急増すれば宿泊先が足りなくなるのは明白だ。

 そんな中、マンションの空き部屋などに海外からの観光客を有料で宿泊させる「民泊」が注目を浴びている。ホテル不足の救世主といわれ、個人の副業としても期待値が大きい。だが様々な問題も噴出しており、旅館業界からの反発などもあって雲行きが怪しい。

民泊を認める「特区法」は看板倒れ?

 民泊に火が付いたのは、米国生まれのマッチングサービス「Airbnb(エア・ビー・アンド・ビー)」の浸透がきっかけ。同サービスは個人・法人を問わず物件の登録が可能となっており、格安な宿泊先を求めている観光客が殺到している。日本国内でも数千件が登録されており、日本を訪れた外国人観光客の10組に1組は利用しているとの見方もある。

 同サービスで空き部屋を生かし、年間数百万円の収入を稼ぎ出す人もあらわれた。

 有料で繰り返し客を泊めるなら旅館業法の営業許可を取得しなければならない。しかし、同サービスはそれを利用者に委ねており、つまりは「マッチングはするけど責任は持たない」というスタンス。許可を得るなら「部屋数5室以上」「防火・防災設備の整備」といった条件を満たさなければならないが、個人では難しいために大半が無許可の「ヤミ営業」といわれている。

 賃貸に使うよりも民泊の方が効率がいいとして最近はマンション全体が民泊に使われ、摘発される事件も起きている。

 野放し状態では監視の目が行き届かず、マナーの悪い観光客が出入りすることで居住者の安心が脅かされるトラブルも相次いでいる。この状況を改善するために規制緩和が急務となり、羽田空港を抱える東京・大田区や大阪府は旅館業法の特例となる「国家戦略特区法」で民泊を認める条例を制定。2016年1月から順次施行される。

 この流れは全国に波及していきそうだが、特区法で認められるのが「6泊7日以上の滞在」という条件がネックになっている。普通であれば海外旅行で同じ宿に6連泊以上するようなケースは少ない。1週間以上の滞在はビジネス利用くらいしか想定できず、各地の観光地をめぐるツアー形態にも即していない。

 これではせっかくの「特区」が看板倒れ。実態は「ウィークリーマンションの規制緩和」でしかなく、結局は無許可のヤミ営業が横行することになるだろう。

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