電車・バス・自転車をシームレスにつなぐ!フィンランドがモビリティのサービス化に着手
私たちは、個人で保有する自動車や自転車をはじめ、電車、バス、タクシーなど、様々な手段を駆使して、日常のモビリティを確保してきた。
近年、『Uber(ウーバー)』に代表される、オンデマンド型の配車プラットフォームや、ニューヨークの『Citi Bike(シティバイク)』のようなバイクシェアリングサービスなど、その手段はますます多様化。
しかし、それぞれの交通インフラや旅客輸送サービスが十分に連携していないため、利用者のニーズを常に満たしているとはいえないのが現状だ。
■ フィンランドが、世界初の「モビリティのサービス化」に着手
世界で初めて、北欧フィンランドが構築をすすめているのが、モビリティを“サービス”としてワンストップで提供するプラットフォーム『MaaS(Mobility-as-a-service、サービスとしてのモビリティ)』。
このプロジェクトには、フィンランド技術庁(Tekes)と運輸通産省が助成し、フィンランドの首都ヘルシンキの公共機関HSL、フィンランド南部のタンペレ市、大手通信機器メーカーEricsson(エリクソン)やSiemens(シーメンス)、オンデマンド型配車プラットフォームを運営するUberなど、官民や新旧の垣根を超え、多様な組織・企業が参加している。
『MaaS』は、移動対象となるヒトやモノを中心に据え、ICT(情報通信技術)やデジタル技術によって、交通のインフラとサービス、情報、決済サービスを統合し、それぞれのニーズに最適な手段を、ワンストップで、フレキシブルかつシームレスに提供する仕組み。
いわば、モビリティの主たる価値を、最適な移動のための情報サービスと位置づけているのである。

source: http://maas.fi/
具体的には、利用者がウェブサイトやスマホアプリで出発地と目的地を指定すると、最短の移動ルートが検索でき、運賃や利用料などもオンラインで決済することが可能。
利用者は、「どの乗り物を利用するか?」を意識せず、そのときのニーズやシチュエーションに合わせて、最も効率的な移動手段を選択できるという。
■ 欧州に波及する「MaaS」のトレンド
“モビリティのサービス化”という『MaaS』の画期的な取り組みは、欧州全体に波及しはじめている。
仏ボルドーで2015年10月に開催されたITS世界会議(ITS World Congress)では、フィンランドの『Maas』構築プロジェクトの中心メンバーに加え、英ロンドン交通局、スウェーデン産業イノベーション省、デンマークのオールボー大学(Aalborg University)、ゼロックス社など、欧州内の産学官20組織が『European Mobility-as-a-Service Alliance(欧州MaaS連合)』を結成。
MaaSモデルにより、あらゆる交通手段を最適化するとともに、万人にとって、安全で、安価で、持続可能なモビリティの実現を目指している。
『Maas』は、デジタル化が、交通運輸業界にも大きな影響を及ぼしはじめている証。既存の業界の枠組みを超えた新たなコラボレーションを促し、人々のモビリティのかたちを、大きく変革しようとしている点に、今後も注目だ。
【参考・画像】
※ maas.fi
※ The European Mobility as a Service Alliance