「感じ方」「感じたときの表現のしかた」は、人それぞれ。しかも、若いときは女性だって経験が浅いのですから、「本当に感じているかどうかわからない」ことも多いものです。

「つきあって半年たつ彼に、先日、『不感症なの？』と言われちゃったんです。確かに私、セックスってなんとなく気持ちいいけど、もちろんオーガズムなんてわからないし、まだまだ女としては未熟。彼がふたり目だし、前の彼とは2回しかしてないし・・・・・・。セックスじたいがよくわかってない。だからといって不感症という言葉を投げつけられるとは、ちょっとショックです」（23歳／公務員）

彼の不用意な一言に傷つけられてしまったようです。でもこの彼女、彼と別れるつもりはないと言います。こんなとき、どうしたらいいのでしょう。

「不感症」という言葉がどれだけ女性を傷つけるか、このことだけはきちんと彼に伝えたほうがいいのではないでしょうか。

「あなたが下手だから感じないのよ」と言い返してもいいくらいです。自分がどんなに不快だったか、どんなに傷ついたか。

おそらく、彼もセックスにそれほど慣れているわけではないのでしょう。女性の気持ちがわからないということは、恋愛ベタだし、思いやりもありません。それは彼にきちんと抗議して、反省してもらうべきです。

それをきっかけにして、彼とセックスについて話してみるのもいいのではないでしょうか。セックスを語り合うことは、お互いの相手への気持ちや優しさの基準など、さまざまな価値観を知ることにもつながります。

彼は、もしかしたらＡＶなどの見過ぎで、「挿入さえすれば、女性が悶絶して喜ぶ」と思っている可能性もありますよね。

だからこそ、「不感症」などという言葉が出てくる。生身の女性は、感じないことだってあるのを知らないのです。彼自身も未熟。だからこそ、常に話し合う必要があるのではないでしょうか。

この彼女が「彼と別れるつもりがない」のは、「彼が好きだから」だそうですが、個人的には「別れ」を視野に入れてもいいのではないかとさえ思います。彼自身、「不感症」と言ったことをどう思っているのかを、まずははっきりさせましょう。

本当にうっかり不用意に言っただけなのか、言葉の意味をよくわからずに言ってしまったのか、あるいは悪意があったのか。それによってはつきあっている意味がないかもしれません。別れは新たな出会いの幕開けです。

同時に、これをきっかけに契機として、自分自身のセックス観も確立させていくといいかもしれません。

セックスが恋愛に占める割合がどのくらいなのか、自分にとってセックスの相性とは何か。あくまでも「自分目線」でいいのです。セックスは最悪だけど、それ以外は彼のすべてが好き、なんていうのはちょっとヘン。セックスも彼の一部、恋愛の一部なのですから。セックスと恋愛、人生は切り離せません。

だからこそ、もう一度、彼との関係を見つめ直してみるチャンスなのではないでしょうか。

個人的には「不感症なの？」と言う男は言語道断だと思いますが、そう言われても彼とつきあっていきたいなら、やはりきちんと「傷ついた」と伝えるべきでしょう。

傷ついたことを黙っていれば、彼はまた別の言葉であなたを傷つけるかもしれない。彼が女性の気持ちをよくわかっていないのは明らかですが、それでも言っていいことといけないことがあります。

まずはそれをきちんと彼に伝え、そこからもう一度、ふたりの関係を見つめ直してみるしかないのではないでしょうか。（亀山早苗／ライター）

（ハウコレ編集部）