金正恩氏の指示が招く北朝鮮の「産地偽装」 (2/2ページ)
多くの北朝鮮住民は、市場に出回る中国、韓国などの質の高い海外製品に触れていることから目が肥えており、国産品に対して概ね否定的だ。その最たる例が「チョコパイ」。北朝鮮でチョコパイは高級品であり、一時期は通貨代わりにもなるぐらいだった。しかし、北朝鮮当局は、大人気の韓国製チョコパイの流通を禁止し、代わりに「北朝鮮製チョコパイ」を市場に流通させようとした。最初は、物珍しさで手に取る人もいたらしいが、「パサパサで不味い」との悪評が広がり、さっぱり売れなくなってしまった。
こうした市場の声を逆手にとって、国営企業は「産地偽装」で国産品のイメージアップまで図ろうとしているようだが、これは今に始まったわけではない。
例えば、電化製品は80年代から日本製やソ連製のものを輸入し、ブランドタグだけを取り替えて売られていたと言われる。また、最近の例を挙げると、北朝鮮が独自開発したというコンピュータのOS「レッドスター3.0」は、米アップル社の「MacOS X」との類似が指摘されている。タブレット端末「アリラン」の中身も中国製だと言われている。
北朝鮮では、このようなことが繰り返されてきたこともあり「国営企業の幹部はパッケージさえ変えれば自分たちが生産した気分になる」とのことだ。もちろん、こうした産地偽装は体面を整えただけであり、更に輸入病に頼る結果を招く。
金正恩氏は、「輸入病を打破せよ!」と主張するまえに、競争力のない製品は市場から淘汰されるという経済の基本を学ぶべきだろう。