【プロ野球】選手の”巨大化トレンド”に異を唱えるイチローの体重論 (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

■僕ほど恵まれている選手はいない

 同様に、『イチローの流儀』(小西慶三/新潮社)では、イチローのこんなコメントも紹介されている。

「体を自由に動かしたり、操ったりという定義なら僕ほど恵まれている選手はいないと思います。結局、こちら(メジャー)には体は大きいのに走れないとか筋肉が邪魔してスピーディに動けないとかいう選手もいっぱいいる。体が大きい方が打球がよく飛ぶ、という次元の話ではあまりにも内容が薄いし、そこに僕は当てはまらない。体が大きいことで疲れやすかったりすることも事実あるわけでね」。

「例えば、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)やふくらはぎを大きくするとスピードは出なくなる。スピードを維持しようと思うなら、太ももの裏側を鍛えて、ふくらはぎは太くしてはいけない」。

 体重増ではなく、体の使い方を磨き上げ、自身のセンサーを研ぎ澄ますことで長く一流であり続けるイチロー。かたや、体重増でパフォーマンス向上を目指すニューウェーブたち。

 もちろん、ダルビッシュや大谷はイチローよりも身長が10センチ以上大きく、骨格も日本人離れしているからこそ、体重増にも耐えうることができる、という可能性は高い。また、大谷の場合は100キロオーバーした後、キャンプで2〜3キロ落としてシーズンに臨む計画があるというから、肉体改造もまだまだ途中段階だ。

「ケガの予防」という観点でみれば、大谷は並外れた柔軟性を持ち、一方のイチローは昔から股関節が固いために「体重増」という負荷を避けている、という見方もできるだろう。

「体重増」「巨大化」が正義なのかどうか。それは今季の彼らの活躍と、向こう10年に渡って安定した成績が収められるかどうかにもかかっている。長い目で見守っていきたい。

文=オグマナオト(おぐま・なおと)

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