「お腹を痛めてない」パパだって苦しんでる!他人のイクメン話は夫に悪影響なワケ
出産直後の大変な時期、「パパが育児に非協力的……」と嘆くママは多いもの。でも、その思いをパパにぶつけても、事はすんなりとは進みません。むしろ逆にヘソを曲げてしまう可能性大です。協力的でないパパをやる気にさせるには、どうしたらいいのでしょうか?
今日は、子どものココロ専門の育児相談室『ポジカフェ』を主宰する筆者が、パパのやる気をUPするコツをお伝えします。
■「お腹も痛めていない、ホルモンも変わらない」でもパパだって苦しんでいる!
ママが抱える育児の悩みとは違った悩みをパパたちは抱えています。
●スロースターターが「ロケットスタート」する難しさ
女性が、妊娠初期から出産までの月日をかけてママへの自覚を徐々に高めていくのに対し、男性は、生まれてきたわが子の顔を見た瞬間にパパの自覚が芽生えると言われています。実際、「出産まであまり実感がなかった」というのはよく聞く話。
生まれてきた瞬間に、一気にパパとしての現実に放り出されるために、とまどいが生まれます。スロースターターが、ある日、“ロケットスタート”を決めなくてはいけない……。これがパパという立場の難しさです。
●「イクメンブーム」が与えるプレッシャー
また、最近のイクメンブームも、気持ちが追いついていないパパにとっては向かい風になりがち。世間では、育児に積極的な男性にスポットライトが当たるため、余計に、出来ていない自分とのギャップに苦しんでしまうことになります。イクメンがよしとされる時代は、新米パパにとっては、なかなかやりづらい時代だったりするのです。
■パパにも産後うつ「パタニティー・ブルー」がある
このような“パパ特有の困難”を、周りが察し、理解してあげることは、実は非常に大事なこと。スルーしてしまうと、パパは葛藤を心にどんどんため込んでいき、やる気も失せていってしまいます。
実際に、パパにも産後うつが存在することも分かっていて、最近の国立成育医療研究センターなどが行った研究でも、産後、2割弱のパパが理由もなく不安になったり心配したりする“うつ傾向”を示すことがあることが判明しています。
人間だれでも、「分かってくれない」と感じるとスネたくなりますし、「分かってもらえている」と感じると気持ちが前に向くようになります。なので、パパのやる気をアップするためには、まずはその立場に理解を示すことがとても大事なのです。
■「パパをやる気にさせる」夫婦のコミュニケーション法のコツ2つ
パパへの理解を示すことが出来たら、次は、夫婦間のコミュニケーションを磨いていきましょう。
(1)周りのパパをモデルにしない
ママは、育児をやってくれないパパを奮起させようと、「○○ちゃんのパパ、すごいイクメンなの」と言ってしまうことがあります。ですが、パパにしたら、他のパパのイクメンぶりはもっとも聞きたくない話の1つでしょう。男性はプライドが高いので、余計にヘソを曲げてしまいかねません。できるパパを引き合いに出し、“モデル像”を提示するのはやめましょう。
(2)「やっていないこと」より「やってくれたこと」に目を向ける
ママが考える“協力的なパパ”というのは、自ら動いてくれるパパのことです。「○○して」と催促してやってくれるパパではありませんよね。パパ側も、「○○して」とばかり言われてしまうと、やらされ感でいっぱいになり、余計にやる気をなくしてしまいかねません。ママはあれこれ言いたくない、パパも指示されて動きたくない……。よって「○○して」という言い方では両者ともハッピーにはなれないのです。
1年近く早くママとしての人生をスタートしている先輩としては、どうしてもパパの出来ていないところ、やってくれないところに目が行ってしまいがちですが、そこを逆に転換し、“出来ているところ”“やってくれたこと”に目を向けるように意識してみてください。
それは、10個期待するうちのたった1個かもしれません。でも、その1個に対し、「やってくれてありがとう」を伝えることで、パパは自らの父親道を切り開いていくことができます。
いかがでしたか?
先にご紹介した研究結果では、パパが産後にうつ傾向になると、虐待になり得る行為をしてしまう危険が4.6倍も高まったそうです。この点からも、パパを味方につけるのは、とても大事なことなんです。今回ご紹介したノウハウをぜひ実践してみてください。
【参考】
※ 産後うつ傾向、夫にも2割 子育てと仕事、両立が重圧? 成育医療センター – 毎日新聞
【著者略歴】
※ 佐藤めぐみ…専門家ライター。育児相談室『ポジカフェ』主宰。最新心理学を用いた叱り方メソッド、やる気アップ法、育児ストレス診断などが専門。著書に『子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣』など。
【画像】
※ Kotin / Shutterstock