一噌幸宏・藤原道山・住吉美紀 『音和座 Journey into the Beats of Japan』 #3 オヒャライヒーホウホウヒー (1/4ページ)

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一噌幸宏・藤原道山・住吉美紀 『音和座 Journey into the Beats of Japan』
一噌幸宏・藤原道山・住吉美紀 『音和座 Journey into the Beats of Japan』

Q 邦楽の楽器は、演奏するのが難しそうですよね?

藤原 そもそも邦楽の楽譜は、五線譜じゃありません。楽器によって違いますが、尺八だと〈ロツレチ〉で。

一噌 能管は〈オヒャライヒーホウホウヒー〉。ふつうの人が聞いてもわかんないよね(笑)。ちなみにお能の音楽の一番スタンダードな、インストゥルメンタルな曲の形式は〈呂中甲中〉という4つの旋律を巡回させて展開するんです。

藤原 〈呂中干中〉と書くこともありますね。

一噌 考えてみたら僕たちの楽器、笛も尺八も竹に穴が空いてるだけだものね。でも可能性はどんどん広げていきたい。いや、広げていけると思う。この間一緒に演奏したビバルディのバイオリン協奏曲なんか、僕も道山さんも穴を抑える指をこう、半開きにしたり、メリカリにしたり、クロスフィンガリングなど特殊な指使いをしたり。

藤原 説明するとメリカリというのは、首の角度を操作して音を変えることです。息の角度を変えると、音程も変わりますから。

一噌 こればかりは、実際に見て聴いてもらわないと、わかってもらえないね(笑)。

Q 邦楽に馴染みのない人でも、楽しめますか?

住吉 邦楽を聴くと最初、なんじゃこりゃ、とか、ノリにくい、メロディが覚えられないぞとか、いろいろ思うかもしれません。でも、理屈で聴いちゃいけないんです。とにかく身を委ねて、ただそこに身を置いてみてください。するとだんだん心地良くなってきます。

一噌 西欧音楽と邦楽は構造がまったく違います。フルート奏者とかがたまに能管を習いに来ますけど、能管は絶対音が決まっていませんから、絶対音感を持っている人ほど、パニックを起こします(笑)。

藤原 要は感覚的に聴く、ということですね。西洋音楽的な耳で聴くと、理解できない。西洋音楽では音楽の三要素として、メロディ・リズム・ハーモニーがありますけど、尺八の演奏にはそんなもの、ありません(笑)。だったら音楽じゃないのか? っていう話になるわけですよ。敢えて言うならメロディは節、リズムは間とかノリ、ハーモニーに該当するのは音色ですね。

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