15歳以上は成人扱い!? くすりの「おとな〇錠」はどうやって決まる?

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きゅうに具合が悪くなったときに、頼りになるのが市販の「くすり」。年齢によって用量が決められ、15歳以上は「おとな」あつかいが一般的ですが、飲む量が体重で決まるくすりもあるのはご存じでしょうか?

くすりを飲むと少なからず腎臓や肝臓に負担がかかり、成長しきっていない子どもは副作用が起きやすいため、小児、乳幼児は減らすのが当然。高齢になっても代謝機能が低下するので、年齢が増すごとに減るくすりもあります。ただし、病院で処方されるくすりには、体重によって量が変わるものもあるので、年齢なのか体重なのか、確認してから飲みましょう。

■15歳でも「おなか」はおとな

薬局やドラッグストアで買える市販薬は、年齢が基準になっているものがほとんどです。成人(15才以上)の表示を良く見かけますが、15歳といえば中学3年生。ひとことで15歳「以上」とくくられても、30歳のひととは体格が違いますので、同じ量を飲んでも大丈夫なのかギモンに思うひともいるでしょう。

これは、からだの代謝機能がポイントで、くすりによっては腎臓や肝臓に負担のかかるものもあり、まだ成長しきっていないこどもは副作用が起きる場合があります。そのため、多くのくすりは、

 ・15歳以上 … 成人

 ・7~14歳 … 小児

 ・0~6歳 … 乳幼児

の3段階に分け、年齢が低いほど減らす仕組みになっています。言い換えれば、15歳でも内臓は「おとな」として扱われているのです。

逆も真なりで、高齢になると減るくすりもあります。だんだんと代謝機能が低下するからです。あるくすりでは、

 ・50歳を基準

 ・1歳増えるごとに1%減らす

つまり50歳なら基準量、70歳のひとは80%と、からだの負担を減らすよう工夫されたくすりも存在します。

15歳は成人と同じなのに、高齢になると量が減る、くすりの世界はちょっとフクザツですね。

■48kg以上は「おとな」あつかい?

なかには体重が決め手になるくすりも存在します。とくにこどもの場合、10kgあたり〇ミリグラムのように、体重をもとに量が決まるくすりも少なくありません。

これらのくすりでは、年齢に対する基本体重が定められ、たとえば、

 ・1~2歳 … 12.0kg

 ・3~5歳 … 17.5kg

 ・10~12歳 … 40.0kg

 ・13~15歳 … 53.5kg

これに加えて10~12歳は33~47kg、15歳以上(成人)は48kg以上のような範囲も決められています。10~12歳はたった2歳の差とも言えますが、体重は1.4倍もの開きがあるため、「同じ」と扱うのはちょっと乱暴… そこで基準体重と比較し、実際の体重に照らし合わせて量が決まるくすりもあるのです。

女性なら成人でも48kg未満のひとは珍しくありませんし、大柄な子なら12歳で48kg超でもフシギではありません。めったにないことでしょうが、極端にやせたひとがくすりの量を少ないと感じても、お医者さんが判断した結果ですので、安心して飲みましょう。

■まとめ

 ・くすりの用量が年齢を基準にしているのは、内臓の成長度合いを考慮した結果

 ・多くのくすりは、15歳と成人は同じ扱い

 ・高齢になるにつれ、処方量が減るくすりもある

 ・とくにこども用には、体重で量が決まるくすりが多い

(関口 寿/ガリレオワークス)

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