事実を「1つのかたまり」として把握する!問題解決の基本スキル (3/3ページ)
このとき、「年収500万円未満」「年収500万円以上、700万円未満」「年収700万円以上、1,000万円未満」「年収1,000万円以上」というようにグループ分けすることが分解のルール。
いわば事実を分解するときには、「モレなくダブりなく」という考え方が鉄則。
(3)「比較」とは?
比較とは、「かたまり同士を並べてくらべる」こと。細かさのレベルが同等の、“粒度”が同じ事実同士をくらべることです。
A社とB社の「利益」という事実をくらべたいなら、重要なのは「A社の営業利益」と「B社の営業利益」を並べてくらべるべき。「A社の営業利益」と「B社の最終利益」をくらべても、正しい比較にはならないわけです。粒度が同じものをくらべるとは、つまりこういうこと。
比較の重要な意味は、2つの事実の間のギャップにメッセージが浮かび上がってくるところ。
現在の売り上げの状況が1億円で、3年後の売り上げの状況(目標)が3億円だったなら、「2億円のギャップをどう埋めたらいいか」ということがメッセージになります。そこから、なんらかの施策や戦略を提案することになるわけで、これが事実と比較の関係。
つまりこうして考えると、世の中のすべての仕事は、事実の正しい認識と、整理、分解、比較の3つのスキルで成り立っていることがわかります。
そしてバラバラだった事実をかたまりとしてとらえ、グループ分けしたり並べなおしたりすることで、新しい戦略や施策、行動などに近づくことができるのです。
*
このように、思考術をロジカルに検証しているのが本書の特徴。そうすることによって、自分の思考に足りないものが浮かび上がってくるような構造になっています。
(文/書評家・印南敦史)
【参考】
※森秀明(2015)『外資系コンサルの3STEP思考術―――どんな難問にも答えを出せるアタマの使い方』ダイヤモンド社