桐谷美玲「30歳までに子供産みたい」が炎上したワケ|やまもといちろうコラム (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

■自身の価値観を語り焦りを伝える勇気

 一方で、人生ですからままならないことも多い。本当はああしたかったけど、諸般の事情で人生こうなってしまった、後悔している、というところまで落とし込めるかどうかは、とても重要なことです。山口智子女史のように、己の価値観として子供を持たずパートナーと人生を楽しむという選択の結果、子供を作らなかったというのと、小泉今日子女史のように結婚もして祝福もされたけれど、やはり人生の結果として子供をもうけることがついにできなかった、それが後悔と語れる人生もまたあります。

 それを、しっかりと自分の言葉として言えるのかどうか、それも、親兄弟のような身内ではなく、メディアを通じてしっかりと自分の価値観や人生の振り返りや、反省・後悔みたいな“コンテンツ”として立たせることができるのかというのは、意外に重要なことなのだろうと思います。

 ひるがえって、まだ26歳でこれから結婚も出産も控えるかもしれない桐谷美玲女史が、炎上を覚悟したわけではないかもしれないが自分の人生の価値観をきちんと語り、焦りを伝え、人生の行く先をきちんと見据えているように見えるのは、素晴らしいことなんじゃないかと感じます。私自身の人生を振り返ってみると、26歳当時の自分が家庭を持つことなど何も考えず、ただひたすらに働いていた時期ですし、思い返すに恥ずかしいレベルであります。

 その意味でも桐谷美玲女史は成熟した精神の持ち主なのでしょう。

 すべての女性に祝福を、と願い祈るところですが、これだけ晩婚化が進んで独り身男女の割合が増えてしまうと、迂闊に結婚に関する価値観を著名人がやりづらくなってしまうんでしょうかね。

 変に言葉狩り的な現象に直結しないことをと思っております。

著者プロフィール

やまもといちろうのジャーナル放談

ブロガー/個人投資家

やまもといちろう

慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数

公式サイト/やまもといちろうBLOG(ブログ)

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