“川崎老人ホーム惨殺事件”介護士・今井隼人容疑者の素顔とは?(1)事件の経緯 (2/2ページ)
14年11月3日の午後11時から翌4日午前1時50分頃の間、施設には3人の職員が勤務していた。1人が仮眠を取り、もう1人が巡回を終えて戻ってきたのを確認すると、今井容疑者は丑沢さんが寝ている403号室に歩を進め、悪魔の言葉を耳元でささやいた。
「外に出ませんか」
丑沢さんは危険を察したのか、抵抗する姿勢を見せたが、無理やり起こされると、今井容疑者に腰元を支えられ、401号室のベランダに連れていかれた。そして、丑沢さんを力強く抱きかかえると、迷うことなく暗闇に放り投げた。
「人目を避けて事故を偽装するため、生け垣やサクで外部から見えづらい施設の裏庭に投げ落としました」(前出・捜査関係者)
それから何事もなかったように仕事に戻った今井容疑者は、タイミングを見計らって、第一発見者を装い、遺体を見つける。その理由について、殺人容疑での逮捕後、今井容疑者はこう供述している。
「4階を担当していたので、遺体の発見が遅れると見落としたことになり、自分にとってマイナスになると思った」
心配する振りをしながら、内臓破裂した丑沢さんの救命措置をするのだった。