【研究】好きな「生き物」で進路がわかるってほんと? 語学好き→海外の動物、農業系→昆虫

学生の窓口

受験生にとって悩みのひとつである「進路」。進みたい方向はわかっていても、学部までは決めるには時間が足りない、と感じているひとも少なくないでしょう。

日常生活から、自分の進路を探り出す方法はないのでしょうか? 意外なことに、好きな動物から進路がわかるという研究があり、語学系にはほ乳類、農業系のひとは昆虫に代表される無せきつい動物が多いことがわかりました。前者は世界情勢に興味があってニュースや新聞を多く読んだ結果、後者が昆虫好きなのは、そもそも自然に触れる機会が多い証拠。興味のある分野によって、好きな生き物も変わってくるのです。

■好きな動物に秘められた「進路」

大学や専門学校に進学したいひとにとって、最初の難関となるのは学部選び。以前は文学/商業/工業など大まかな分類しかなかったのに対し、最近は多彩な学部が登場しています。選択肢が多いのはうれしいことですが、逆に迷ってしまうのが世の常。高校3年生なら18歳が一般的ですから、自分のことをよく理解し、迷わず進路を決められるひとのほうが珍しいといえるでしょう。悩んでいるひとには朗報で、好きな動物によって進路の傾向がわかるという研究結果があるのです。

この研究では、農業系/語学系の大学生を対象に、好きな動物、飼ったことのある動物を調査したところ、好きな動物はどちらも、

 ・ほ乳類

 ・鳥類

 ・両生類

の順であることがわかりました。ただし1位のほ乳類は、農業系は日本の動物、語学系は世界と、興味の対象が国内/海外に別れる結果となりました。

また、飼ったことのある生き物を1位から順にあげると、

 ・農業系 … 無せきつい動物(昆虫など)、魚類、ほ乳類

 ・語学系 … ほ乳類、魚類、無せきつい動物

と、上位3位までは逆の順になったのです。

■共通点は「興味」

これらの結果は、なにを意味するのでしょうか? 農業系なら野生動物と触れる機会もあるので、入学後に好きになったとも考えられますが、語学系はまったくの無関係。つまり、進路決定までの人生が、好きな動物や飼育経験に現れているのです。

たとえば好きな動物1位のほ乳類が国内外に分かれたのは、

 ・農業系 … 国内の動物 = 身近な存在

 ・語学系 … 海外の動物 = 世界の情勢

に興味があるからで、野外施設や観察会に出かける農業系の学生は多いのに対し、語学系は皆無というデータからも「興味の持ち方」が違うことがわかります。

また、犬や猫がいる家は多く、飼育経験の1位がほ乳類でも驚くべきことではありませんが、昆虫などの無せきつい動物は好き嫌いが分かれるところ。ちびっ子にはカブトムシやクワガタが人気なのと同時に、おとなでも苦手で触れないひとも多くいますから、犬/猫のように一般的な存在とは言えません。

整理すると、農業系の学生は「国内にいる動物、なかでも昆虫」が好きと表現でき、小さいころから自然に触れる機会が多かったのに対し、語学系の動物好きは世界情勢に興味を持った結果と表現できるので、どちらの進んだ道もきわめて妥当なのです。

子どものころからの興味が勉強に結びつけば、それ以上に良い「進路」はありません。迷ったときは、学びたいことを考えるだけでなく、いままでの人生を振り返ってみるといいかも知れません。

■まとめ

 ・好きな動物は、進路とリンクしている

 ・農業系の学生は昆虫や国内の動物など、実際に観察できる動物を好む傾向あり

 ・語学系の学生は海外のほ乳類など、世界情勢と好きな動物が連動している

(関口 寿/ガリレオワークス)

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