2020~2030年の実用化を目指して開発中!? 宇宙に「発電所」を作る計画ってほんと? (2/2ページ)
さらに発電量を増やしたいなら、
・1年中日が当たる
・天候に左右されない
が必須で、大気もあり自転している地球上は至難のワザ。逆にいえば、太陽光発電は「宇宙」でこそ実力を発揮できる方法なのです。
■送電線のない発電所
宇宙に「発電所」が作れるのでしょうか? 答えは「Yes」。JAXAを始め多くの機関が研究中、2020~2030年の実用化を目指して開発が進められているのです。
宇宙の発電所は「宇宙太陽光利用システム」略してSSPSと呼ばれ、つねに地上の「ある地点」のうえにいる静止衛星を作り、そこにソーラーパネルを取り付けて発電する、といえばわかりやすいでしょう。静止衛星は高度約36,000kmもの高さにあるので、大気の影響は限りなくゼロ、雨も曇りの日もありません。また、この高さになると地球の影に入る時間はきわめて短いので、稼働率ほぼ100%で発電できるのです。
作り出した電気は、どうやって地球に送るのでしょうか? 高度36,000kmは地球一周の9割相当ですから、電線で結ぶのはきわめて困難。そこで光や電波を使った「無線送電」が有力視されています。
たとえば光なら、電球を使って電気を光に変え、ソーラーパネルを使えば電気に戻せますし、ラジオが聞こえるのも電波を電気に変換した結果ですから理論上可能です。ただし別のエネルギーに変えるときには必ずロスが生じ、マイクロ波を使った場合は50%ほどと言われていますので、どれだけ効率を上げられるかが今後の課題です。
また、発電所と名乗れるほどの電力となれば、レーザー/マイクロ波ともにきわめて大出力になり、生物への影響が心配になりますが、人間はもちろん、飛行機や鳥も考慮して研究が進められているようです。安心して「宇宙発電所」が誕生する日を待つことにしましょう。
■まとめ
・日本の日照率は、高いところでも3割程度なので、太陽光発電も稼働率が低い
・天候や昼夜の影響がない宇宙空間は、太陽光発電にとって理想的な場所
・静止軌道上に「発電所」を作るSSPSが研究されている
・電波やレーザーなど、電線の要らない方法で送電する予定
(関口 寿/ガリレオワークス)