人の印象は「動かない95%」ではなく「動く5%」で左右される (2/2ページ)
そして無意識のうちに、動かない95%の方ではなく、動く5%によって相手を判断しようとします。
■不快に感じさせる動きとは
著者は約700名に対し、対面の印象トレーニングを実施したことがあるそうです。おもしろいのは、その結果、ほぼ100%の確率で人々が無意識に行なった行動があったということ。
書く必要のないときに筆記具を持った場合、ほとんどの人が無意識に筆記具を使って手で遊びはじめたというのです。
そしてその映像を見せると、多くの人が「手の動きが気になる」「不快である」と反省の弁を述べるのだとか。
どれだけ真剣に話を聞いているような顔をしていても、手が動いていると真剣さや誠実さに疑問符がついてしまうということです。
では、手を隠してしまえばいいのかというと、それも違うと著者はいいます。
賄賂や悪だくみを指す「机の下」「袖の下」という言葉があることからもわかるように、手が見えない状態は相手を多少なりとも不安・不快にさせるもの。
もしも人にいい印象を与えたいのだとすれば、手は机の上に置き、書く必要がない場合は手を組むといいのだそうです。
■話すときのクセは色々ある
私たちには誰にでも、「話すときのクセ」というものがあります。
たとえば立って話してもらった場合、体の重心をずらしながら話す人、左右に微妙に揺れる人、首で表紙をとりながら話す人など、さまざまなタイプがいることがわかります。
しかし体のどこかでリズムをとりながら話す人に対し、「その動きを止めて話してください」というと、まるで話せなくなるのだとか。
体を動かしながら話すというクセは、一度習慣になってしまうとなかなかなおしづらいもの。しかし、決して見過ごせないと著者はいいます。
理由はいたって明快で、すなわち「この動きはあったほうが好印象」だといえる動きに出会ったことがないから。
だからこそ、今後相手に嫌な思いをさせたくないと思うのなら、なおしておいたほうがいいと著者。
いってみれば、これも「5%」の範疇に収まること。どうでもいいように思えることが、実は印象を大きく左右してしまうというわけです。
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このように、意外とも思える角度からも「伝え方」を検証している点が本書のおもしろさ。
人になにかを伝えること、好印象を与えることは楽ではないだけに、目を通しておくといいかもしれません。
(文/書評家・印南敦史)
【参考】
※木村英一(2015)『ストレスゼロの伝え方』CCCメディアハウス