保育所が住宅ローンより高い!イギリスのびっくり「保育費」事情 (2/2ページ)
いっぽう、保育所への公的資金援助がある日本では、各家庭が保育所に支払う費用はずっと安いものになります。
たとえば東京であれば、認証保育所にフルタイムで預ける場合、3歳未満の子どもは上限が8万円。それ以上の子どもは7万7,000円で、認証保育所はさらに低額。
もしロンドンの保育所が東京の価格水準で利用できるとしたら、おそらくイギリスの親たちは、国庫に多大な負担をかけるほど保育所を使い倒すだろうと著者は推測しています。
■イギリスの保育費は住宅ローン以上!
いずれにせよ、いくらフルタイムで働いたとしても、毎月20万円前後の保育費を払うことは決して容易ではないはずです。
事実、母親が朝から夕方まで毎日必死で働いたとしても、手取りがほぼ保育費に消えてしまう家庭は決して少なくないというのです。月々に返済する住宅ローンよりも保育費のほうが高くつくという、私たちの感覚では信じられないような話も有名な話。
もちろん費用やライフスタイルのバランスをとって、どちらの親がフルタイムからパートタイムに切り替える場合もあるでしょう。
しかし不思議なのは、保育費が高くついたとしても、多くの母親たちがなんらかのかたちで復職しているという事実。
イギリスで労働可能な年齢の女性のうち、専業主婦は10人に1人にすぎないというのです。
■なぜイギリスの母親たちは復職する?
でも、母親たちはそんな状況下で、なぜ復職することを選ぶのでしょうか? それは、長い目で見たとき、収入面でプラスになるからというだけではないと著者はいいます。
家庭に入るより働くほうが、充実感や満足感を得られるから。
働くことによって、自分が健全でいられるから。
自分の仕事が好きだから。
子どもが成長したあとも、自分のキャリアを続けられるから。
働くことで、子どもに手本を示したいから。
などなど、復職する母親に関するさまざまな記事に目を通してみると、彼女たちの動機は実にさまざま。
つまり母親たちは、復職すること・復職をやめることの、よい点と悪い点とを自分なりに秤にかけ、シビアに判断しているということです。
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この話に限らず、イギリスと日本では感覚的に違いすぎることばかり。しかし、だからこそそこを直視すれば、私たちが日本で進むべき方向も見えてくるのではないでしょうか?
(文/書評家・印南敦史)
【参考】
※浅見実花(2015)『子どもはイギリスで育てたい! 7つの理由――住んでわかった。子育てと教育から見える日本へのヒント』祥伝社