医学博士が語る!季節の変わり目に注意したい赤ちゃんの病気とは?
季節の変わり目は、人間にとって体温を大きく調節しなくてはならないもの。この時期の調節が上手く行かなくなってしまうことで、体調不良を引き起こしてしまうことがあります。
しかし、大人の場合であれば体温調節も上手くできるようになっていますが、まだまだ体温調節が上手くできない赤ちゃんにとっては、体調を崩してしまう可能性があります。
■春の訪れは気分も晴れやかになるもの
“陽気な春”と言う言葉があるように、暖かくなってくると気分も晴れやかになってきます。これは本能的なものであると言われており、元々動物には冬眠をする習性があります。
これは寒い時期に活動量を抑えてあげることで、寒さに耐えようとする働きとなります。もちろん人間は冬眠をするわけではありませんが、寒い時期に昼間眠くなってしまうというような機会もあったのではないでしょうか?
また、人にもよりますが、一般的に寒さに耐えるために、脂肪を蓄えるようになります。ですから秋から冬にかけて食欲が増加し、体重が増えてしまうということもあると言われています。
長かった冬もようやく越して、暖かくなってくると寒さによるストレスが少なくなるために、多幸感をもたらしてくれるドーパミンやセロトニンと言った神経伝達物質が多く分泌されると言われていますが、これらは気分を高めてくれる物質です。
暖かくなることによって皮膚に対する暖かい刺激や視覚、嗅覚など全身で心地よさを感じるために、これらの物質が分泌され、気分が晴れやかになるのです。
■季節の変わり目は体調を崩しやすいってホント?
でも、季節の移り変わり目は、ママ自身はもちろんのこと、赤ちゃんが体調を崩さないかヒヤヒヤする時期でもあります。
人間は脳の中の視床下部(ししょうかぶ)と言う所に体温調節中枢と言うものがあります。よく「平熱は●●℃」ということがあると思われますが、これらはこの視床下部の体温調節中枢によって決定しています。
例えば、寒いところにいると皮膚が寒さを感じて体温が下がってきます。体温が下がると体温調節中枢が「体温が下がってしまった、上げなくては」と言う認識をします。その時に起こる現象として鳥肌が立ったり、震えたりすることで体温を上げようとします。
赤ちゃんはこの体温調節中枢がまだまだ未発達です。体温調節中枢は成長とともに発達して行きます。2歳くらいまでは上手く調節できないとされていますので、やはり急激な気温の変化に体がついていけない、ということも十分に考えられます。
大人が暖かく感じていたとしても赤ちゃんは寒く感じていたり、その逆の場合も考えられます。ですから常に赤ちゃんに触れてあげて体が冷えていないか、熱すぎはしないかなどをチェックしてあげる必要があります。
体温調節が上手く行かないと、ウイルスや菌の侵入を容易にしてしまいますし、更に赤ちゃんは、免疫系も未発達です。ですから風邪をひきやすかったり、熱を出しやすくなってしまうということがあるので、注意が必要です。
■季節の変わり目に注意したい「病気と対策」
そこで、季節の移り変わり目(冬~春)の時期に注意したい、赤ちゃんの病気とその対策について紹介します。
冬から春にかけて暖かくなるため、病気は少なくなると考えてしまう方も少なくありません。しかし、冬から春に掛けては朝晩の寒暖差が大きいために、赤ちゃんにとっては非常に負担となってしまいます。ですから、室温はある程度一定に保つ必要性があります。
更に、この時期に気を付けなくてはならないのが“インフルエンザ”と“ロタウイルス”です。
まず“インフルエンザ”は、当然一年中気を付けなくてはならない病気ですが、この時期は特に全国的に流行してしまいますので、注意が必要です。大人でもインフルエンザは大変な思いをするのに、赤ちゃんにとっては非常に大きな負担となってしまいます。
特に、高熱が出てしまうので、解熱させてあげたいという気持ちになりますが、種類によっては“インフルエンザ脳症”を引き起こしてしまう可能性もありますので、自己判断はせずにきちんとクリニックに行くようにしましょう。またインフルエンザを予防するためにはワクチン接種も念頭に置いておいてください。
もう1つの“ロタウイルス”は、生後六か月くらいからかかってしまうようなもので、嘔吐や下痢を引き起こしてしまうウイルスです。
赤ちゃんが最初にかかってしまうとも言われている身近なもので、感染すると、最初に熱や嘔吐から始まります。その後白っぽく酸っぱいにおいのする下痢をしてしまいますので、おむつ交換の時に初めて気が付くかもしれません。
“インフルエンザ”にしても“ロタウイルス”にしても特効薬はありませんので、予防が第一となります。
いかがでしたか?
周囲で流行り始めたら、なるべく原因となるウイルスから離れるようにして、室温を一定にする、お風呂で綺麗にしてあげる、こまめな洗濯、加湿器などでなるべく乾燥を避けてあげる、ことが重要になってきます。
少しでも危うさを感じたら、ママやパパ自身の判断で済ますことなく、対策と診断を欠かさないようにしましょう。
【著者略歴】
※ 川上 智史・・・北里大学大学院医療系研究科医学専攻博士課程修了、医学博士。予防医学を専門とし、医学的に美と健康に主眼を置き研究を続ける。各種教育機関や講演会において予防の重要性を啓発している。