プロ野球の”円陣声出し問題”をメディアはどう報じたか?|プチ鹿島コラム
今回は、プロ野球「円陣声出し問題」について読み比べをしてみたい。試合前の円陣を組んだときに代表して声出しを担当した者が、チームが勝ったら事前に出されていた金を総取りできるというアレ。野球賭博で巨人を追放された笠原元投手が産経新聞の取材に証言し、産経は一面トップで「巨人選手公式戦で現金」(3月14日)と伝えた。同グループのサンケイスポーツも「笠原暴露 巨人公式戦で現金やりとり」と同日に大々的に報じた。
これに対し巨人は「験担ぎ」「祝儀」であると主張。巨人以外にも阪神、西武、ソフトバンク、広島、楽天、千葉ロッテが同様のことがあったことを認めることになり、球界の因習であることがわかった。
スポーツニッポンが作製していた今回の声出し7球団の比較表(3月18日)がわかりやすくてためになった。「参加」「開始時期」「内容」「金額」「敗戦時の支払い」などが比較されている。
■どの球団で生まれ、どう伝播した?
まず、いつから声出しを始めたのかという素朴な疑問がある。スポニチの表によると、古い順だと阪神「11年」、巨人「12年春」、広島「4~5年前」、ロッテ「13年」、西武「2~3年前」、楽天「14年交流戦のみ」となる。ちなみにソフトバンクは「数年前」で具体的な年次は出ていない。
まず考えられるのは、どこかの球団ではじまったものがトレードなどで移籍した選手から伝播した可能性だ。もしくは、球団は違えど仲の良い選手が食事などしたときに知った可能性も考えられる。阪神と巨人と広島(つまりセ・リーグ)が似たような時期に始めたことをみると、試合時の選手同士の会話から伝播した可能性がもっとも高い気がする。お前んとこ、なんでいつも円陣で盛り上がってんの? という「ふとした会話がきっかけ説」である。そして交流戦をおこなった結果、遅れてパ・リーグにも伝わったという「まさに交流戦だった」説。
細かいことを言えば、阪神「11年」巨人「12年春」という球団発表をそのまま信じれば、2011年のオフに巨人と阪神の選手がテレビのゴルフとかバラエティとか運動会などで一緒になっていた機会があったらそれも要注意である。誰か調べてほしい。
あと、この表をみると、他チームは「野手」だけでおこなってたが巨人は「投手、野手」それぞれおこなっていたこと、他チームは敗戦時に声出し担当はお金を払わないが、巨人は「1000円」を皆に支払っていたことなど、やはり巨人の声出しの特殊性がわかる。
これだけ日常的におカネが舞っていたことを考えると「ナベツネがいつ辞めるか」という賭けも巨人内でおこなっていたような気がする。誰か調べてほしい。
著者プロフィール

お笑い芸人(オフィス北野所属)
プチ鹿島
時事ネタと見立てを得意とするお笑い芸人。「東京ポッド許可局」、「荒川強啓ディ・キャッチ!」(ともにTBSラジオ)、「キックス」(YBSラジオ)、「午後まり」(NHKラジオ第一)出演中。近著に「教養としてのプロレス」(双葉新書)など多数。