赤ちゃんがよく吐くのはなぜ?「嘔吐サイン」から疑うべき病気とは
赤ちゃんには、たっぷり母乳もミルクも飲んでほしい。でも「やった~、飲んでくれた!」と思ったら、ゲボッ……。いま飲んだ分、全部出ちゃったかも、という経験はありませんか?
何かの拍子に、とにかく吐くことが多い赤ちゃん。このまま様子を見ていいのかしら。栄養は足りているのかしら、病気だったらどうしよう……と不安にもなります。
今回は、“赤ちゃんの嘔吐から読み取れる病気と嘔吐時の対処ポイント”を紹介します。
■そもそも赤ちゃんはどうして吐きやすいの?
赤ちゃんの胃は、とっくりのような形をしています。大人と違って、胃の入り口の筋肉もまだ未発達。だから、締りが悪く、ちょっとした拍子に、母乳やミルクを戻してしまいます。これは嘔吐ではなく、“溢乳”と呼ばれる現象です。
授乳後のゲップと一緒に吐くこともありますが、機嫌よく、体重の増えも順調ならば、普通は心配いりません。
下痢や発熱、顔色が悪い、ぐったりしているなど、いつもと様子の違う点がないか、注意深くチェックし、心配な場合は急いで受診しましょう。
そんな嘔吐から読み取れるサイン、いうなれば“嘔吐サイン”から注意したい病気は次のようなものがあります。
■「嘔吐サイン」から注意したい病気
(1)急性胃腸炎
生後6ヶ月頃になると、感染症も増えてきます。吐いたら、下痢や発熱など、体調の変化に注意しましょう。受診し、水分の補給など医師の指示に従いましょう。
(2)肥厚性幽門狭窄症
生後2、3週頃から1日に吐く回数が増えた、毎回のように噴水のように勢いよく吐く、体重が増えないといった症状があれば、早めに受診しましょう。胃の出口が厚く狭くなる“肥厚性幽門狭窄症”も疑われます。
(3)腸重積症
腸管の一部が、肛門外側の腸内に潜り込んで重なってしまう病気です。「泣く、おさまる」の繰り返しが特徴。これらに加えて、嘔吐が続くときは大至急受診しましょう。
(4)髄膜炎・脳炎
髄膜炎は髄膜に、脳炎は脳の中枢神経にウイルスや細菌などが入りこんで起きる病気です。髄膜炎は高熱、頭痛、吐き気、嘔吐の症状があります。さらに、けいれんや意識障害があれば、脳炎が考えられます。
吐きながらぐったりしてきた、といった症状があれば、大至急受診しましょう。
(5)上気道炎、気管支炎、百日咳
咳を伴う病気で、咳とともに吐いてしまうことがあります。
(6)頭を打ったあとで吐いた
頭や体を打った後で、繰り返し吐き続ける場合は、急いで救急車を呼びましょう。揺すったりせず、横向きに寝かせて到着を待ちます。
■赤ちゃんが吐いたときの対処ポイント3つ
(1)すぐに上体を起こしたり、横向きに寝かせる
赤ちゃんは、吐いたもので気管を詰まらせる危険があります。吐くときは、抱き起こして背中をさすりましょう。寝かせる場合は、上体をやや高くして顔を横向きに寝かせます。
(2)脱水にならないよう、少量ずつこまめに水分補給
吐いた直後30分程度は嘔吐が続くかどうか、様子を見ましょう。胃腸炎など、場合によっては嘔吐後数時間は何も飲ませないと指示されることもあります。吐き気が収まったら、1度に大量に水分を与えると吐きやすいため、少量ずつ、与える回数を多くしましょう。
そしてまた吐かないか、チェックします。胃腸炎の場合、与えるものの種類や間隔は、医師の指示に従いましょう。
(3)吐いた後は、ガーゼなどで優しく口元や体を拭き、着替えさせる
意外と首の下なども汚れていますので、キレイに拭いてあげると赤ちゃんもスッキリします。ゲップのたびに洋服が汚れることもしばしば。
赤ちゃんの着替えはこまめに行えるよう、洋服やガーゼの予備が多めにあると安心です。
いかがでしたか。
赤ちゃんは具合が悪くても、話すことができないため、周りの大人が気付いてあげなければなりません。
赤ちゃんの出すサインは様々です。ママが「うちの子、いつもと様子が違う」と感じたときは、すぐに小児科を受診しましょう。
【参考】
※ 主婦の友社(2007)『最新赤ちゃんの病気大全科』(主婦の友社)
※ 吉崎達郎、明橋大二(2009)『子育てハッピーアドバイス知っててよかった小児科の巻』(1万年堂出版)
【筆者略歴】
※ 進藤ゆきこ・・・専門家ライター。自身も子育て真っ最中の歯科医師、歯学博士。「毎日のオーラルケアをママとベビーのハッピータイムに」をモットーに、親子でお口の健康をもっと身近に感じてもらえるよう取り組んでいる。