金正恩「核のスイッチ」で加速する北朝鮮の暴走外交 (2/3ページ)
「日本は独自制裁。そして、ついに後ろ盾として慎重姿勢を貫いていた中国も米国と制裁に合意し、国連安保理で北朝鮮に対し、かつてない厳しい制裁が課されることになりました。韓国は開城(ケソン)工業団地を閉鎖するなど、北朝鮮に対する包囲網は強まっています」(同)
外交評論家の小関哲哉氏は、こう言う。「金正恩は、恒例のように食料支援のための瀬戸際外交をしているだけのつもりかもしれませんが、今回は必要以上に強硬に出てしまった。結果、中国までもが国連の制裁に賛成することになりました。北朝鮮と核開発を行っていたイランも、米国と核合意して核開発をストップ。サウジアラビアも原油安の影響で国家予算すら組めず、デフォルト(債務不履行)が危ぶまれる状況です」
サウジは北朝鮮と、中国や、核保有国で数少ない北朝鮮友好国のパキスタンとともに、弾道ミサイルの技術交換を行っているとみられる国。こうした中で、北朝鮮は、今まで以上に孤立し、さらなる逆ギレを起こしているのだという。
その緊張状態は、近年例を見ないもの。3月8日、中国の王毅外相が現在の朝鮮半島情勢について、「一触即発で火薬の臭いが充満している」と危機感を表明するほどなのだ。
では、万が一、朝鮮半島で“火薬に火がつく”こと、さらには金第1書記が「核のスイッチ」に手をかけることはあるのか? 前出の小関氏はこうみる。「北朝鮮は、一度振り上げた拳を簡単に引っ込められません。一方の米国といえばトランプ氏などの強硬派が支持を得ています。こうした支持が広がり、北朝鮮に対し、なんらかのアクションを求められる場面がオバマ大統領に訪れないとも限りません。その中には、北朝鮮を潰しておこうとの決断も含まれます。北朝鮮は米国は動かないとみて、挑発をエスカレートさせていますが、偶発的アクシデントも重なれば、場合によっては、“第2次朝鮮戦争”という展開も最悪考えられます」
実際そのとき、どんなことが起きるのか。小関氏が続ける。「北朝鮮が韓国に対して核兵器を使う可能性は低いでしょう。核汚染されては、南北統一をしても自国民を住まわせることはできませんから。でも、日本や米国に対してはその限りではない。