ただの咳や熱じゃない!「クループ症候群」のサインは音でわかる?
季節の変わり目は概して風邪をひきやすいもの。大人でもそうなのに、赤ちゃんは余計体調を崩しやすいものです。
だからこそその体調不良に、悪い意味で慣れてしまっては危険。いつもの不調とはちょっと異なる場合も……。
今回は、ただの発熱と勘違いする恐れのある“クループ症候群とその特徴”についてお話します。
■そもそもクループ症候群とは
クループ症候群とは、パラインフルエンザウイルスなどによる咽頭周囲の腫れによる犬の遠吠えのような咳を特徴として、声がかれてしまったり(嗄声:させい)、息を吸うときにぜいぜいしたり、時には呼吸困難を引き起こしてしまう可能性があるものです。
最初は風邪の症状から出てくるので、風邪かな? と思ってしまうと徐々に悪化してしまいます。
少しでも気になるようであれば、早めに病院やクリニックを受診するようにしましょう。
■どのような症状が出ているか観察
赤ちゃんは、言葉によってコミュニケーションをとれないため、“泣く”ことによって感情や状態を表現します。
具合が悪いときは、おむつが濡れているときやお腹が空いているときとは少々違ったニュアンスが汲み取れると考えられます。
赤ちゃんはまだまだ外界に慣れていません。ですからやはり少しの環境の変化ですぐに体調を崩してしまうことがあり、良く熱を出してしまうと考えられます。
当然体の中で白血球が菌やウイルスと戦っているために、それに伴ってインターフェロンと言うタンパク質が作られて発熱します。このようにして、徐々に免疫を付けていくようになるのです。
また、熱を出してしまった。でも、いつものように少しするとよくなるから大丈夫かな? と決めつけるのは非常に危険です。そのぐったりしている原因がわからないと、悪化してしまうケースも十分に考えられます。
ゆえに、体調が悪そうなときにはいつものこととは決めつけないようにして、出来る限り出ている症状を書き出して小児科を受診するようにしましょう。
■注意したい「パラインフルエンザウイルス」による感染症
通常、大人の場合は、風邪を引くと鼻水や鼻づまり、くしゃみ、発熱、倦怠感などの基本的な症状が出てきます。
これを総称して“風邪症候群”と言いますが、風邪症候群を引き起こす原因の大半はウイルスです。
人間には“終生免疫”と言って、一度かかったウイルスに対して抗体が出来上がるために、基本的には同じウイルスで症状を引き起こすことは少ないのです。
しかし、なぜ1年間に何回も風邪を引いてしまうことがあるのか? それは単純で、ウイルスの種類が違うものに感染していたり、同じ種類のウイルスであっても、形が異なっているためにそのウイルスに対する抗体が出来上がっていないからなのです。
分かりやすいものをあげるとインフルエンザ。
ひとくくりにインフルエンザであってもA型・B型と言ったように、種類が異なれば短期間で再び感染してしまうということが十分に考えられます。
もちろん、赤ちゃんにはそのような免疫がまだまだ未発達で、様々な抗体を作り出すように体が頑張っているため、すぐに熱を出してしまうということが考えられます。
ここで注意したいのが“パラインフルエンザウイルス”による感染症です。
最初は風邪と似たような症状を引き起こすので、風邪かなと思っていたら、突然に咽頭周囲の腫れによる“犬の遠吠え”のような咳をしてしまうことがあります。同時に声がかれてしまったり、息を吸うときにぜいぜいしたり、時には呼吸困難を引き起こしてしまう可能性があるものです。
普段の風邪とは違う症状が出てくるので、びっくりしてしまうママも少なくありません。
■「クループ症候群」の特徴的な音のサイン
前述したように、最初は風邪と同じような症状が出てきます。
しかし喉が腫れてしまう、すなわち咽頭炎が引き起こされているという状態ですので、急激な発熱が確認されます。時に38℃を超えるような高熱が出てきますので、体温は常にチェックしておくようにしましょう。
それと同時にほどなくして“クループ症候群”に特徴的な咳が出てきます。
普段の風邪であれば“コホンコホン”とした咳が出てきているかもしれませんが、クループ症候群の場合は特徴的な“コホー”と言った形の、犬の遠吠えのような咳や痰が絡まないような咳(渇いた咳)が出てきます。息を吸うときに“ゼイゼイ”するような音がしたら要注意です。
また、クループ症候群の原因の大半は“パラインフルエンザウイルス”ですが、それ以外にも細菌による感染やアレルギーによる気管支の腫れなどでも見られることがあります。
いずれにしても“口から出てくる音”が重要になってきますので、注意深く見ておくようにしましょう。
少しでも気になるときには必ず小児科を受診するようにしましょう。
いかがでしょうか。
赤ちゃんの体調不良を“いつものことだから”と、変なゆとりをもって看過してしまってはいませんか?
言葉でコミュニケーションをとれない赤ちゃんを、ママ自身の経験だけで判断するのは難しく危険です。
症状一つ一つをしっかり観察し、必要に応じて診察してもらうなど、しっかり対応してあげましょう。
【画像】
※ Krystyna Taran / Ruslan Grechka – Shutterstock
【著者略歴】
※ 川上 智史・・・北里大学大学院医療系研究科医学専攻博士課程修了、医学博士。予防医学を専門とし、医学的に美と健康に主眼を置き研究を続ける。各種教育機関や講演会において予防の重要性を啓発している。