不幸を防げる!優先順位をつけておくべき「7つの生きがい領域」
マインドフルネスに関連した書籍は、過去にも取り上げたことがあります。簡単にいえばそれは、自分の意識や気持ちと向き合うことにより、ストレスを解消していく方法。
『不安、ストレスが消える心の鍛え方 マインドフルネス入門』(大田健次郎著、清流出版)は、そんなマインドフルネスについて詳しく、そしてわかりやすく解説した書籍です。
そのなかから、「7つの生きがい領域」と「4種の人生価値」を見てみましょう。
■「7つの生きがい領域」とは
まず著者が読者に対して問いかけるのは、次の7つの領域の、どれを生きがい、価値とするかということ。
たいていの方は、優先順位の違うもので2つ以上あるといいます。
(1)【家族・子育て】「現在の家族の平和を維持したい」「家族と平和に暮らせるようになりたい」「家族を破壊したくない」「家族の不和を解決したい」「子どもをうまく育てたい」「虐待しそうであるがしたくない」
(2)【結婚・恋愛】「現在の結婚生活を維持したい」「結婚したい」「離婚したい」
(3)【対人関係】「いまの友人関係を続けたい」「友人が欲しい」
(4)【仕事・家事】「いまの仕事を続けたい」「職場に復帰したい」「仕事に復帰できなくても、家事ができ、買いものにいけるようになりたい」
(5)【教育】「不登校を解消したい」「進学したい」「勉強を続けたい」
(6)【趣味・社会活動】「引きこもりを解消したい」「社会に出られるようになりたい」「他者の苦悩解決を支援する活動に従事したい」「ボランティア活動、社会貢献活動をしたい」
(7)【精神面の成長】「自分をよく知りたい」「自己評価を高めたい」「苦悩解決のために自身をつけたい」「生死観を確立したい」「病気(がんなど)がありながらも強く生きていきたい」「自己存在の意味について知りたい」
■「4種の人生価値」はどれか
7つの領域を確認したら、次にすべきは、それらが次の4種の価値のうちのどれに該当するかを知ること。
(1)創造価値:社会のためになにかを提供することで生きがい、喜びを感じること。
(2)体験価値:社会からなにかを提供されることで生きがい、喜びを感じること。
(3)態度価値:創造価値や会見価値を遂行する時々刻々の対人関係や日常生活の行為において、ある態度を取ることに喜びを得る。それ以外に、深刻な出来事、たとえば自己の死や不治の病、障害、愛する人の死など避けることのできない運命に対して、それを受け入れる際に、苦難にあっても、どんな態度をとるかという人間の尊厳の価値。これに生きる意味を見出す。
(4)存在価値:かけがえのない人格として自己、家族のために生きることに生きがいを見出す。この生を享けたことの喜び、7つの生きがい領域の(1)、(2)、(7)に関係する。
■優先順位をつけることが大切
これらの価値をリストアップし、優先順位をつけることが大切なのだそうです。
なお、ほとんどの人に価値は複数あるのだとか。そして仕事の場合も、契約・勤務先が2つ以上あるなら、それは別の価値になるのだといいます。
状況によって捨ててもいいのならば、優先順位が低いということ。ただし価値や優先順位は固定したものではなく、年月の経過や家庭環境の変化によって変化していくものなのだそうです。
家族に関連した領域は、たいていの人にとって存在価値の優先順位が高いはずなのだそうです。
そして家族との関係で体験・創造価値のギャップが小さくなり、課題として優先順位が低くなった場合には、態度価値の優先順位が高くなるといいます。
■価値を考えれば不幸は防げる
たとえば成功していたかに見えていた人がうつ病になってしまったり、自殺したり、犯罪を犯したり、家族を心の病気に追い込んだり、家庭を崩壊させたりなど、不幸な状況になってしまうことはあるものです。
それは、優先順位の高い価値をおろそかにしたり、優先順位の低い価値なのにそれに執着してしまい、態度価値を考慮せず、適切な行動をしなかったためであるといえるのだそうです。
優先順位の低いもので不本意な状況になっても、執着せずに、「失っても構わない」と覚悟すること。それが不幸になることを防ぐと著者はいいます。
もっとも大切なのは存在価値。家族や自分の存在価値を守ることを大切にして生きていくということ。
だからこそ、ここで確認した価値はときどき見なおしてみることが大切だといいます。
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仏教を起源とするマインドフルネスは、すべての人に対してとまではいえないにしても、ある種の人にとってはよい影響を与えてくれる可能性があるでしょう。
だからこそ、読んでみれば気持ちが楽になるかもしれません。
(文/書評家・印南敦史)
【参考】
※大田健次郎(2016)『不安、ストレスが消える心の鍛え方 マインドフルネス入門』清流出版