日本人の平均年収はいくら? 平均年収からみる日本社会の現状

フレッシャーズ

身近な人でもなかなか話しにくい年収のこと。今回は、日本の平均年収についてお話していきます。世の中の多くの人の年収が日本の平均年収となるわけですが、いったいどの程度になるのでしょうか? 将来のことを考えながら読み進めてみてください。


■平均年収って何?

よく耳にする「平均年収」という言葉ですが、実は正しく理解している人は意外と少ないものです。そもそも「年収」とは、税金などが引かれる前の収入のことをさします。そして、税金などが引かれ、実際に給料として受け取ることができるものを手取りといいます。おおよそ、年収1000万円の人の手取りは700~800万円ほど、年収800万円の人の手取りは500~600万円ほどとなります。そして、この年収の平均額のことを平均年収といいます。

■今の日本の平均年収は?

2015年の平均年収は、440万円であるといわれています。これは、前年の2014年よりも2万円減った額となります。平均年収は2009年からマイナス傾向にあり、2013年に一旦プラス方向へと動いたものの、翌年2014年には再びマイナスへと戻る結果となりました。ちなみに、マイナス傾向に動き始める前の2008年の平均年収は461万円であったとされています。

■2008年に何があったの?

先ほど、2009年から平均年収が右肩下がりであるというお話をしました。2013年に少し上向きな様子が見られたものの、それを除けば減額し続けているような状況です。では、平均年収が下がり始めるきっかけとなった原因は何なのでしょうか?この答えを導き出すには、2009年の平均年収に大きく影響を及ぼした2008年の出来事に目を向ける必要があります。

そうです、2008年に起こった平均年収に影響を及ぼす大きな出来事とは、リーマンショックです。皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか?アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマンブラザーズが、低所所得者向けのサブプライムローンによって破たんし、これをきっかけに世界的な金融危機に陥り、日本でも様々なビジネスで大きな打撃を受けました。

この流れから賞与を減額とする企業が増え、これによって平均年収も下がりました。源泉徴収された所得税額もちろん減少し、これは日本の生産力が低下し始めていることを意味しています。地域格差もはっきりと表れてきており、東京の平均年収は日本の平均年収を200万円ほど上回ったものの、全国で1番低い沖縄の平均年収は日本の平均年収を80万ほども下回りました。

■日本の平均年収から見る、日本が抱える問題とは?

今の日本の平均年収は、昭和の終わりと同じ水準であると言われています。就職氷河期を経験した若者世代は就職しても給与が上がることがなく、年齢が高い世代においても給与が大幅に減少しています。そして、これに加えて、日本が抱える借金が国民の生活を圧迫し続けているという現実があります。この結果、生活が苦しいと答えた世帯は13年連続で半数を超える状況となっています。また、平均年収が減少し続けている他の原因として考えられるのが非正規社員の雇用拡大です。契約社員やアルバイトなどを含む非正規社員の給与は、何年働いても何十年働いても上昇することはほぼありません。働いている仕事内容は変わらなくても、非正規社員であるというだけで平均年収は200万円台となり、これはかなり深刻な事態となっています。

今の平均年収と、そこから見える日本の現状についてお話しました。すこし暗い話となってしまいましたが、これが現実でもあります。これから社会人として生活をするみなさんは、この現実をしっかりと受け止めたうえで、今後のライフプランを立てる必要があります。限られた収入の中で、何を優先して生きていくのか、この答えを見つけることから始めてみましょう。

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