待つこと2時間以上は当たり前!? 「不妊治療の専門医院」の現実<連載第3回> (2/2ページ)

It Mama

一番は卵の進退にかかっているので「明後日の11時に来てください」とピンポイントでの来院がマストなのだ。働く人間にとってこれがどんなに困難かことか。

そして、お値段と言えば、1回の通院で数万円、それを7~8回繰り返し体外受精の段となる。自治体の控除もあるが、体外受精は基本的に1回50万円かかる。それでもわが子をお腹に宿さんと多くの人がクリニックの門を叩くのだ。

■不妊治療で「男」ができる、たったひとつのこと

急なスケジューリング、高額な治療費。それなのにいつ妊娠できるかもわからない、不妊治療。というか、妊娠できる確証などどこにもない。

それでも、この治療を何年も頑張ってこれたのは、それは夫婦ふたりが互いの心に寄り添っていられたからだ。

男性不妊でもない限り、男がクリニックに行く必要はさほどない。人工授精・体外受精という高度な治療でも、場合によっては自宅で採精した精子を妻に手渡せば、事足りてしまう。でも僕は妻から通院日を聞き、毎回連れ添った。

不妊治療で痛い思いをするのは、当たり前だが女性だ。結果の伴わない毎日にストレスもどんどん蓄積される。それを軽減できるのはパートナーである自分しかない。共に通い、長い待ち時間で彼女を笑わせる。それが夫にできる唯一の誠意に思う。

ある芸人さんから、こんな話を聞いたことがある。その昔、“スカブラ”という人たちがいたという。彼らは炭鉱夫に交じって、炭鉱に入っていく。しかしスカブラは仕事はしない。ただスカブラは冗談を言い、炭鉱夫を笑わせるのみ。しかしこのスカブラがいないと、作業効率が著しく落ちるという。

不妊治療においての男性とは、このスカブラのような存在だと僕は思う。苦しむ妻の心に寄り添い、時に励まし、時に笑顔をつくってあげる。男にはこれしかできない。これこそ不妊治療を長く続ける秘訣に思う。

次回第4回は、「枯れた涙~繰り返す流産~」をお送りします。

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Tyler Olson / Shutterstock

【著者略歴】

※ 村橋ゴロ‐・・・72年、東京都出身。大学生のときライターデビュー。以降、男性誌から女性誌、学年誌など幅広い分野で活躍。千原ジュニア、田村淳、タカアンドトシ、次長課長、高橋克典など多くの芸人、俳優陣の連載構成を手掛ける。3年に及ぶ、自身の不妊治療奮闘記をまとめた著作『俺たち妊活部』(主婦の友社刊)が好評を博す。また主な構成/著作に、『すなわち、便所は宇宙である』シリーズ(千原ジュニア著・扶桑社刊)、累計200万部突破した『GO!GO!バカ画像シリーズ』、『裏モテの秘策』(ともにKKベストセラーズ刊)などがある。結婚以来11年間、炊事・洗濯・掃除をこなす兼業主夫でもある。

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