初主演ドラマ「幸福不二家」〜台灣の家族に出会った その2〜
先週に続いて、今台灣で放送中の私の初主演ドラマ「幸福不二家」のお話。
日本で芸能活動をしていた時にも何度かドラマに出演したことはありました。でも、主人公の友達や、同僚などの役柄だったので、撮影期間休みなく毎日撮影があるという日々は私にとって未知の世界なのでありました。しかも台灣の撮影現場に何ヶ月もどっぷり参加するという経験も今回が初めて!楽しみな気持ちでワクワクしながらも、ドキドキ緊張とプレッシャーも同時に感じていました。 クランクインの収集間前に、私と偽の家族「松坂一家」を演じる役者さんたちと顔合わせ。 お父さん役の羅北安さんは台灣のドラマではもうおなじみの国民的お父さん。 私の好きなドラマのヒロインのお父さん役でもたくさんお見かけしていて、いつか娘を演じたいなぁと密かに思い描いていた方です。 お母さん役の黄嘉千さんは歌手でデビューして以来バラエティー、ドラマ、映画、舞台とマルチに活躍されていて、カナダ人の旦那様もタレントさんでよくCMなどでも仲良く家族で出演されていたりしてとても印象的でした。 お兄さん役の竇智孔さんは、歌手でデビュー後立て続けに人気ドラマに主演し、中国でも大人気の俳優さん。 そんなベテランの先輩方に実際に会えるまで、一人で台本を読んではイメージを膨らまして、会える日を今か今かと楽しみでしかたなく、でもやっぱりちょっと緊張な日々なのでした。 最初の顔合わせでは、台本を片手に本読み。 ワンシーン4人で言い合いをするシーンを読んだだけで、想像していた台本の中の家族がまさに目の前現れたような感じで、一人で想像していたよりも、ずっとよりその登場人物の個性や性格が濃く現れていたちょっと感動してしまった私。 私にとっては、こんな撮影までのひとつひとつの過程が夢みたいで、ジーンとしてしまうことが多々あるのですが、私もヒロインの役を任されてドラマに参加しているからには、役者としてできることを精一杯やらなければとさらに力が入るのでした。
その後もクランクインまでの数日間、4人で日本料理屋さんに所作を教えてもらいにいったり、 自身で緑光劇団という劇団も立ち上げてみんなから先生!と呼ばれている北安先生に稽古をしてもらいました。この期間通称《8點擋》(バディエンダン)と呼ばれる週一ではなく月曜から金曜日8時からの1時間のドラマを撮影中だった北安先生。 それだけでも忙しいのに、さらに舞台の稽古との掛け持ちで寝る時間もないくらいの状況の中、初主演で中国語にハンデのある私のためにわざわざ時間をさいて、稽古してくださいました。 劇中では、私演じる松坂七海が、北安先生演じる江一郎の作る料理に一目惚れして、「私の料理人になって!」と声をかけ、そこからひょんなきっかけで、親子と偽ることになったのですが、いつもお店でもそれ以外の場所でもお父さん、お父さんと呼んで、一郎がそのうち七海の本当の父親のようにいい理解者であり、支えてくれる存在になる、といった話なのです。 実際の北安先生も、熱心で、頼り甲斐があって、優しくて、実際に私の父と同い年ということもあって撮影期間中は撮影以外の時でも、お父さんお父さんとよばせていただいていました。 撮影が始まってからも、ロケ場所が遠い時に一緒に車に乗せて送ってくれたり、その間お芝居のことで相談に乗ってもらったり、本当に暖かくて、今では七海にとっての一郎と同じように台灣のお父さんのような存在です。
お母さん役の嘉千(ジャーチエン)姉さんは、ドラマの中でお母さんと呼ばせてもらうには申し訳ないくらい若々しくて、素敵なお姉さんです。「化粧好きじゃないのよ」と、他の女優さんとはちがってメイクはむしろなくていいと豪語していたサバサバ系男前なお姉さん。 かと思えば、友達の誕生日プレゼントに、「なんでも買える人だから買えないものをと思って」と、さらっと現場の待ち時間に毛糸と棒をとりだし、ささっとあっという間にマフラーを完成させて、お兄さん役のボビー兄さんから、「俺もほしい!」と言われていた腕の持ち主。劇中では、気が強くてもともと仕事がバリバリできる経営キャリアウーマンが、親友に裏切られ、職を失って、新しい仕事を探している時に、ちょうどひょんなことから「松坂家」は偽物の日本人家族ということを知って、自分も松坂母として加わり、お店では、良妻賢母の日本人妻を演じるという役を演じているのですが、コメディエンヌとしても、魅力を燦々と放っていて、現場でもいるだけで、現場が明るくなるみんなの元気の素!太陽のような方です。
お兄さん役の竇智孔(ドウヅーコン)さん(英語名はボビーさん)は、初めましての時から、自己紹介を日本語で話せるくらい日本語が上手でびっくり。話を聞いたら大学時代に第二外国語で日本語を専攻していたそうなのです。 日本の家族と偽って日本料理店を開くという設定なので、お店の中や4人以外がいる場所では日本語のセリフもたくさんでてくるので、私以外の3人は日本語の先生についてレッスンを受けていたのですが、さすがボビー兄さんは日本語セリフも難なくつかいこなしていました。 日本語のセリフだけじゃなくとにかくセリフ覚えがいいボビーさん。台灣のドラマでは、撮影の当日まで当日とる台本が手元にもらえなくて、撮影の直前にもらってすぐに覚えなくてはいけないという状況も時にあります。そんなとき、私は、例によってすべての文字に声調記号をつけていったり、知らない言葉の発音を記入して覚えてと頭フル回転であたふたしているのですが、ボビー兄さんは台本にさらっと目を通すと、あっという間に覚えては、本番でほぼNGなしなのです。台灣ではみんな現場に台本を持ち込んで、暇があるときにみているという感じなのですが、ボビー兄さんはあまり台本をみている姿をみかけません。けっこうずっといっぱいいっぱいだった私はそんな兄さんの撮影中と撮影以外のオンオフが上手な様子に感心しっぱなしなのでした。
次回に続く
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