「安倍VS麻生」消費増税をめぐる“不協和音” (3/4ページ)
なんとしてでも税率を上げなくては困る面々――それが「麻生財務相の背後にいる財務官僚たち」(前同)だ。「G20(20か国財相・中央銀行総裁会議)やG7、さらには財務官僚が出向するIMF(国際通貨基金)では、国の財政健全化のために増税はあってしかるべきという理論が支配しています。そのことから、財務官僚は日本の国家財政が先進国の中でも最悪に属し、財政健全化のために増税は必要というロジックを打ち立てています」(鈴木氏)
彼らは、そのロジックを振りかざし、自民党の有力議員に相次ぎ接触。鈴木氏が取材した与党の大物議員も、そうやって財務官僚に口説かれたという。
東大卒がズラリと並んだエリート官僚陣に理屈で説得されたら、政治家とて太刀打ちできない。麻生氏も財務官僚に丸め込まれた一人だろう。元法政大学教授の五十嵐仁氏は言う。「その財務省の代弁者である麻生氏は、軽減税率導入の際にも“小売業までシステムを浸透させるのは手間がかかる”と抵抗したくらいですからね」
軽減税率は、消費税増税に伴い、低所得者への配慮から導入が検討されていたもの。ところが、麻生氏はかつて、軽減税率の財源約1兆円に充てるため、将来的に消費税率を10%から引き上げる可能性について「論理上は十分ありうると思う」と発言したほどだ。これでは低所得者の負担は増すばかり。軽減税率など、なんの意味もなくなってしまう。確かに国家財政の立て直しは必要だ。しかし、財務官僚たちが財政立て直しを金科玉条(きんかぎょくじょう)に掲げる裏には、こんな事情があるという。「安倍政権は“経産省内閣”といわれ、“最強官庁”を自認してきた財務省の影響力が低下してきています。そこで今回、消費増税が流れたら、前回の見送りに続き“連敗”となり、権威は地に落ちます」(元財務官僚) なんともはや、財政健全化のため、いくら理屈をこねようと、“省益”を優先しているというのだ。
さらには、こんな話も。「これは財務省に限った話ではありませんが、役人の天下り先は今でも無尽蔵に増えています。かつて民主党政権下で事業仕分けが行われた際は、20兆円もの行政のムダがあるとも指摘されていました。