【山口組分裂抗争】 各地で起こる衝突事件の背後に浮上する「リニア利権」 (2/3ページ)
この筋論に関して筆者は無関係なので、論評は控えたい。
今まで激しく抗争が起こった場所を考えて見ると一部例外はあるが、大きな特徴があることに気付く。お互いの勢力がある名古屋、神戸、拮抗している大阪も含めそれ以外の地域でも小競り合いが続くのは当然だ。移籍した組織への攻撃も想定内であろうし、緊張感が高まってもいる。しかし、最近、各地で群発する小競り合いは、ある大きな利権を巡って衝突していることが想像出来るのだ。
それはリニアモーターカーの利権である。リニアモーターカーの東京、名古屋間の開通は2027年の予定。その停車駅は、東京を始発として、品川、相模原、甲府、飯田、中津川、名古屋である。現在は開発の真っ只中である。
停車駅の中で地方に目を向けると、甲府は稲川会と分裂した山梨侠友會が5年近くに渡り小競り合いを続け、九州の道仁会小林哲治会長が仲裁に入り、先日山梨侠友會が解散し、佐野組として稲川会に復帰した"因縁の地"でもある。
一部報道では、この事実を「何も得たモノはなかった」と解説した向きもあるが、実際はそんな事はない。今は稲川会の直参である佐野組長は、山梨一家の三代目を剥奪されたのにも関わらず復帰をなし得ている。絶縁が破門に切り替わったり、その反対も珍しくはない世界だが、筆者は寡聞にして、跡目剥奪された人間の復帰は聞いた事がない。
この復帰は甲府という町を落ち着かせたかった以外に想像が付かないのだ。今は甲府の駅前は閑散としているが、リニア工事や開通の際は巨額な資金と人が集まってくる。このような場所にはヤクザが蠢くのは至極当然の事なのだ。
そして、飯田市。組員移籍前とされていて大きな問題にはならなかったが、一番初めに分裂抗争によって死者が出た地域だ。中央道の封鎖事件が起こり、報道されない小競り合いは何度も起こっている未だに緊張が続く地域である。
中津川周辺には六代目山口組、稲川会が進出している。厳密な縄張りが決っていない一地方だが、トラックが突っ込んだり、車が破壊される等の実力行使が起こっている。
先日も厚木で六代目山口組側の事務所に車が突っ込んでいる。その数日後に、相模原市南区の神戸山口組側の組員の車が破壊される事件も起きた。