4番バッターは必要なし!リーダーが意識すべきメンバーの選び方 (2/2ページ)
つまり、自分が支援にまわることを望まないわけです。
ところが、各人の「主張合戦」がはじまってそれぞれが譲らなかったり、もしくは誰かが強い不満を持ったまま仕事を継続したりするということも往々にしてあります。
でも、そんな状態が続いてしまうと、いつか誰かがチームを去らなければならなくなるという、最悪の結末になってしまうわけです。
だからこそ、重要なことがあるのだと著者はいいます。
チーム編成をするときには、「前に出て引っぱる人」「全体を冷静に見渡す人」「専門分野で貢献する人」「それぞれを支える人」など、個々のリーダーシップの特徴を見極めることが重要だという考え方。
■異分子を招き入れて評価する
チーム内で反対意見が出ると、それは「議論」につながるもの。ここで重要なのは、議論とは、新しい価値をつくるためにするのだということ。
いま、自分が正しいと考える意見を「正」とすると、それに反する意見は必ずあるものです。この「正」と「反」をくらべ、合意された「結論」を出すことが「議論」です。
そして議論という作業で導き出せた結論は、もとの「正」意見や「反」意見のいいところを取り込んで、より高いレベルになっているのだといいます。いわばそれが、チームを組んで仕事をすることの醍醐味。
チームを組んで仕事をするとき、合意された結論に対して新たな意見が出てきたとしたら、さらに高いレベルに届かせるための議論がはじまるといいます。
つまりそうして、新しい価値をチームのなかでつくり出していくわけです。
この価値をつくり出すきっかけが、メンバーによる「反対意見」の表明だということ。
価値をつくる議論を生み出すために必要なのは、異なる意見を持っているメンバー(つまり異分子)をチームに迎え入れることだと著者はいいます。
いわば、新しい価値を生み出すリーダーというものは、常に「意見」を持つ人を歓迎し、そして招き入れ、それを評価できる人だということです。
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これらからもわかるとおり、著者の考え方は非常に客観的で、そして冷静なものです。強い共感を意識させるのは、つまりそれがあるから。
だからこそ、広い視野を軸としてリーダーシップのあり方を考える際には、本書が大きな力になってくれるはずです。
(文/書評家・印南敦史)
【参考】
※河野英太郎(2016)『99%の人がしていない たった1%のリーダーのコツ』ディスカヴァー・トゥエンティワン