やむにやまれぬ事情で講義に赤ちゃんを連れていった女性に対して、マッチョな大学教授がとった行動が神がかっていた(アメリカ)
そう、その教授は泣き出した赤ちゃんを筋肉隆々の腕に抱きかかえながら平然と1時間の授業を続けたのである。これは、アメリカ、テキサス州ウェイコのベイラー大学でのひとこまである。 クラスの女子学生が連れてきた生後4ヶ月の赤ちゃんを当たり前のように抱いたまま講義を続けたのは、マッチョ教授として知られる、バイオケミカル学の教授、ダリン・ウィロビー氏である。 記事提供=カラパイア
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Baylor professor comforts student's baby during lecture
全日制の学生であるケイティ・ハンフリー(33)はこの日、大学に行くためにあらかじめベビーシッターを頼んでおいたのだが、その女性が急きょ病気になり、直前にこられないとの連絡が入った。
単位を取得するため、どうしてもウィロビー教授の講義に出なければならなかったケイティは、娘を一緒に連れていくことに。車に娘を乗せ、テキサス州サラドから車で一時間、やっと教室の椅子に座ったと思ったら、5分もたたないうちに娘のミリーがむずかり出した。
ウィロビー教授は、ケイティが娘をなだめようとしてやきもきしているのに気づいた。すぐにケイティのところにやってきて、ミリーを自分の腕に抱き上げてあやしたのだ。すごく自然に嫌な顔ひとつせず。
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「ただ、ケイティのところへ行って、ミリーを抱き上げ、そのまま教壇に戻って講義を続けただけだよ」とウィロビーは語る。
ウィロビーの腕の中にいる間、ミリーはすっかり安心しきっていたので、一時間の講義中、ケイティは気兼ねなく授業に集中することができたという。
「ケイティが快適にリラックスして授業にのぞめるようにしたかったんだ。そして他の生徒にも安心して授業をうけてもらいたかった。」
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ケイティによると、ウィロビーは少し時間をとって、科学ではなく人生について講義をしたという。「教授は、人生でもっともすばらしい贈り物のひとつは、赤ちゃんをこの手に抱きしめることだとみんなの前で話しました。そして、自分のふたりの娘が幼いときに抱きしめたことがとても懐かしいと言っていました。娘さんたちは、ひとりが大学生、もうひとりは高校生になっているそうです」
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(左)ケイティと娘のミリー、(右)ウィロビー教授
ケイティは海軍で、言語学者、信号分析の下士官として14年務めた後、負傷兵の役に立ちたいと大学に戻った経歴をもつ。
「ベイラー大学の理学療法プログラムを卒業すれば、理学療法士の士官として軍に関わることもできます」とケイティは言う。
プロのボディビルダーでもあるウィロビー教授は、同大で保健や人間の能力や反応を研究する准教授で、さらに運動とバイオケミカル栄養研究所の理事でもある。ケイティは妊娠中の夏に、ウィロビーの授業をとっていて、ミリーはお腹の中にいたときから、ウィロビーの声を聞いてはさかんに足を動かしていたという。「ミリーはウィロビー教授のことが大好きか、大嫌いか、どっちかだったのね」とケイテは冗談めかす。
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ケイティとミリーと夫
ウィロビーは、ケイティに必要なときはいつでもミリーを授業に連れてきてもいいと言っている。ふたりはいい友人なのだ。
「こう言ってもらえると、安心します。学ぶこともできて、娘の世話もできるのがわかっているんですから」
via:kwtx、distractify・dailymailなど translated konohazuku / edited by parumo
日本では待機児童問題で、働きたくても子どもを預かってくれる場所がなく働けない女性に対する政府の対応が急がれているが、出産後、資格を取得し、それを仕事に役立てたいという女性だって少なくないはずだ。子どもたちは人類の未来を担う大切な存在である。誰の子だって地球の子、我々みんなの子どもたちなのだと思えば、個人レベルでも、ほんのささいなことでも、支えてあげることができるかもしれない。そう、この教授のように。
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