全国で相次ぐ強制撤去…都内の”巨大ゴミ屋敷”を直撃してみた (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

 オーナーは、かなりの資産家の子息なのだという。一帯に、オーナーの一族の土地があるそうだ。ここは、元々借家で長い間、他人に貸していた物件だったが、ここ数年、大家が住んでいる。そしてもっと驚いたことに、この建物は、現在もアパートで、住人が住んでいると聞いた。こんな家にお金をはらって住むとは、ちょっと信じられない。一日いただけで、頭がおかしくなってしまいそうだ。

 大家いわく、ゴミをためている訳ではなく、置いてあるもの全てが商品なのだという。だから業者による片付けは考えていないそうだ。片付けるなら、自分でゆっくりと気が向いた時にやると言っている。

 つまり、このままの状態が今後何年も続くのだ。こんな状況を、周りの人は文句を言わないのだろうか? もちろん言っている。警察も何度も呼んでいる。ただ家主は、屁の河童だ。

「ここは全部、俺の土地だ。俺が俺の土地で何をしても文句を言われる筋合いはない。むしろ俺に文句を言っているヤツの家は、公道に花壇を作っている。むしろソッチの方が、法律違反だ。逆に訴えてやる」

 と息巻いているという。たしかに自分の所有する土地の中でなら、原則的には何をしても構わない。ただ、それにも常識的なレベルというのがあるだろう。

 行政代執行という行為自体、手放しで賛成できることではない。しかし、実際に現場を見て、日常的に被害をこうむっている近隣住民の気持ちを考えると、強制的な撤去もいたしかたない、という気持ちになった。

文・村田らむ(むらたらむ)
※ライター・イラストレーター・漫画家。ホームレス、新興宗教、犯罪などをテーマにした体験、潜入取材を得意とする。著書は『ホームレス大博覧会』(鹿砦社)など多数。近著に『禁断の現場に行ってきた!!』(鹿砦社)がある。
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