1クラスに3~4名もいる!? 「よく喋るのに読めない子」への正しい理解とは
お喋りが得意でお友達と仲良くできてコミュニケーション力も社会性もあって頭も良い、なのに“文字が読めない、書けない”障がいがあるのをご存じですか?
今日は、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子が“学習障がい児に対する大人の対応”についてお話します。
■小学校の1クラスに3~4名の割合で存在する「ディスレクシア」
発達障がいの人が全人口に占める割合は10%と言われています。その中でディスレクシア(=学習障害・LD)は4パーセントといわれる高い比率です。小学校の1クラスに3~4名はいる計算です。
めちゃくちゃよく喋るけれども読めない、書けない生まれつきの脳の機能障害。先天的なものですから親の育て方や本人の努力不足が原因ではありせん。又、幼稚園、保育園時代は本格的なお勉強は始まりませんから親や先生が気づくことはありません。
この障がいは例えば“やま”という字を視覚的に捉えることは出来るけれども、これを音声化することに困難を示します。弱視や全盲のように目そのものに問題があるのではなく、脳の機能障がいです。見てはいるけれども“読めない”のです。
視覚障がいの人が点字を使ったり、近視の人が眼鏡をかけたり、足の悪い人が杖や車椅子を使っても誰もおかしいとは思いませんよね?
でも、パッと見わからない学習障がい児については周りの理解が少なく、ディスレクシアの人の多くは特別な支援をされずにいるのが現実です。
中には字が歪んで見える、上下左右反転している。動いているように見える、通常とは違う見え方をしているLDの人もいます。このような障がいがある子に対して同じ学習方法で一斉指導する学校。このような子には当然困難が強いられます。
■理解ある教師が「あきらめてしまった」理由とは?
勉強をしっかりした心ある教師がいました。プリントを与えて自分で読んで回答させることが難しいディスレクシアの生徒に対して「あなたはちゃんと理解できる頭を持っている。でも目でとらえて読めない、書けないだけ。だから耳で聞くことが出来るように先生が問題を読んであげる」と個別指導しました。
ところが他の生徒達が「あの子だけ特別扱いされている。えこひいきされている、ずるい」と言い出し、苛めが始まりました。
これを見た教師は「苛められたら可哀想だから特別扱いは止めよう」と支援を断念してしまいました。
でも、一歩進んで「人にはいろんな見え方がある。だから特別な教え方をしている。」と他の生徒たちにこれを機会に教育すれば、クラスメートのディスレクシアへの理解が深まるチャンスだったのに残念なことです。
■トムクルーズもディスレクシアだった!
トムクルーズはディスレクシアであることを公表しています。だから、台本を目で見て読んで理解することは出来ません。スタッフに読んでもらって録音し耳で覚えて役をこなします。このことを誰も「身勝手なことをして」とは非難しません。
“学習障害児、LD、ディスレクシア”という言葉を日本人の中で何パーセントが知っているでしょうか? 出来ない本人を責めるより、勉強不足の私たちが学ばなければいけないのかもしれません。
もしも、わが子が小学生になったとき「普通に勉強して頭も悪くはないのにどうしてこんなに極端に文字の読み書きが出来ないの」と不安にかられたときは学習障がい児であるかもしれません。勇気を奮って専門機関を受診してください。
担任にも理解されず「どうしてあなたは読めないの。怠けている」と叱られ続けたら辛い学校生活になります。その子にあった教え方をすることで能力を発揮することが出来ます。正しい知識を私たち大人が身に付けることが大切なのではないでしょうか。
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※ Ayaka / PIXTA
【著者略歴】
※ 立石美津子・・・専門家ライター。32歳で学習塾を起業。現在は保育園、幼稚園で指導しながら執筆・講演活動に奔走。自らは自閉症児の子育て中。著書に『小学校に入る前に親がやってはいけない115のこと』『読み書き算数ができる子にするために親がやってはいけない104のこと』『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』『「はずれ先生」にあたった時に読む本』『一人でできる子が育つ「テキトーかあさん」のすすめ』