まずは怒りの背景「第一感情」を探す!職場でイライラしないコツ (2/2ページ)
本書のマンガにも、仕事の遅い人に対して、主人公がイライラしてしまう場面が登場します。つい、感情的な言葉を投げつけてしまいそうになるわけです。
けれど、そうしなかったのは、落ち着いてイライラの第一感情を探したから。すると、それが「不安」であることに気づいたのです。
いわば、「怒らない技術」の本質は、解決方法に焦点を当てること。
部下の仕事が遅いことについて、いくらイライラしても怒っても、状況が変わるわけではありません。
「急ぎなさい!」と感情的に叫んだら、仕事があっという間に終わるなどということもありません。
だとすれば、そんなことにエネルギーを注いでも意味がなく、まったく無駄だということになります。
つまりコントロールできないことに集中するのではなく、あくまでもコントロールできることに集中すべきだということ。
■イライラのもとは価値観の違い
「腹が立つ」「かっとする」「むかつく」といったイライラは、価値観の違いから生まれるものだと著者はいいます。
自分が仕事の早い人だった場合、仕事が遅い人に対してイライラする。自分が明るい性格であれば、暗い人にイライラするのだということ。
きれい好きな人はだらしない人が気になるとか、神経質な人は無神経な人が鼻につくとか、時間を守る人は時間にルーズな人が気になるなど、さまざまな状況にあてはまるはず。
しかし、それは自分の価値観に合わないから気になるだけのこと。
自分のやり方に合わないからイライラしているだけだということです。
でも、その人はそれでいい、それが普通だと思ってやっているわけですから、そのことで自分がイライラしているのは、相手の問題ではなく、自分の問題だということ。
自分で勝手にイライラしているだけなのだから、自分が受け止め方を帰る必要があるわけです。
たとえばミスばかりする新人にイライラするのであれば、「自分も新人だったころは、あの人と変わらないことをやっていたな」と考えなおしてみればいいということです。
*
まずマンガで見せて、そののち平易な文章で解説されているため、「怒らない」ための技術を身につけやすいはず。
方の力を抜いて読んでみれば、日ごろのイライラを解消できるかもしれません。
(文/作家、書評家・印南敦史)
【参考】
※嶋津良智(2016)『マンガでよくわかる怒らない技術』フォレスト出版