現代的なイケメンたちを日本画で描く。色気たっぷりなファンタジー「お伽話 - Ikemen-Märchen」 (1/3ページ)

デイリーニュースオンライン

木村了子「龍宮楽園」部分
木村了子「龍宮楽園」部分

 美しい女性をモチーフにした「美人画」。古くから親しまれているカテゴリーだが、「美男画」があってもいいのではないか。そんな発想から現代美男子(俗称イケメン)を、伝統的な描く木村了子さんの個展「お伽話 - Ikemen-Märchen」が、新宿区のアートコンプレックスセンターで開催されている。

■清須城・柴田勝家の襖絵も! 映画に提供した作品

 会場入り口には、木村さんが描いた襖絵などが展示されている。これらは全て映画作品に提供したものだ。日本画を描くきっかけにもなった『およう(関本郁夫監督:2002年)』の「およう 縛り四連襖絵」。責め絵師・伊藤晴雨の縛りポーズを参考に、モデルを使って改めて絵を起こしている。

 巨大な龍が睨み付ける障壁画は『龍三親分と七人の仲間たち(北野武監督:2015年)』で使われたもの。親分の部屋にふさわしい迫力ある作品だ。

『清須会議(三谷幸喜監督:2013年)』にて、柴田勝家の部屋に使われた襖絵。狩野派のユーモラスな虎の絵を参考にしている。実は雄の虎は勝家を、その視線の先にいる小虎を遊ばせる母虎は、お市の方をイメージしているそうだ。勝家虎の横には小さなハートが……。映画を見ただけではなかなか気づけない、遊び心も隠されている。

 さらに映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ(宮藤官九郎監督:2016年)』に提供された“地獄絵”も。主人公は制服を着ているが、この後変更があり、映画本編では裸になっているという。ここでしか見られない貴重な制服バージョンだ。

 通常、映画のセットなどは撮影が終われば取り壊されるか、倉庫にしまわれ、我々の目に触れる機会はほぼない。そうした作品を間近で眺めることができるのは、とても貴重なことなのだ。

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