#5 味の決め手は愛情 フレンチ薬膳ノススメ 坂井美穂 (1/2ページ)
2人きりになった坂井家の姉妹は「東洋医学と西洋医学を統合した病院を作りたい!」と考えた。それを無謀とも思わないほど若かった。妹は舞台照明の仕事をしていたが、姉とともに会社を起こし、店で働いている。
「妹も自分のやりたいことがありますが、今はお店を守る一員です。この店は去年の9月にオープンしたんですが、界隈のほかの物件に比べると家賃が破格。それでもお金がななく、たまたま知人が必要なくなったというので、セミナー室の机や椅子、ホワイトボードやコップなど、使える物をもらってきたんです。だから、かなり予算が浮きましたよ(笑)」
店内の壁も椅子も机も自分たちで塗って、カーテンも全部手づくり。パリの暮らしを思わせるスタートだ。現在は、料理教室のほかに手づくりのお弁当、ケータリング、商品開発などを行っている。
「病院をやりたいといいながら、こうしてお店ができました。いま働いている人たちが誰ひとり欠けることなく、みんなで一緒に大きくしていきたいですね。うちは宣伝広告費をかけられないのですが、ショップカードやお客様のインスタグラムを見て、お弁当を買いに来てくださったり、料理教室に来てくださる方がいます。どこかで繋がっていると思うと、ありがたいですね」
インタビューの最中に、ガトーショコラを焼く、おいしそうな香りが漂ってきた。話を中断して、できたてのガトーショコラをいただく。……おいしい! チョコレートの味がしっかりしているが、ノンオイルなのでお腹に入ると軽いという。愛情のこもったスイーツ、ごちそうさまでした。
現在は商品開発に力を入れているそうだ。このガトーショコラも発売したばかりの新商品。これからどんな展開が待っているのだろうか。
「こうしてYEOに取り上げていただくことで、また新しく何かが始まるといいな、と思います」
国際薬膳調理師、フレンチ薬膳プロデューサー。2006年より拠点を日本からパリに移し、モデルとしてパリコレクションなどのショーを中心に活動。現在はフレンチ薬膳プロデューサーとして、身体の内から溢れる美しさや健康を追求した様々なサービスを提案。