多くの人が見逃しがち 自律神経の乱れによる難聴 (2/2ページ)
――逆に、効果が出にくいケースもありますか。
今野:あります。いちばん時間がかかるのは、自律神経が麻痺してしまっているケースですね。この状態だと、血流が滞り、耳が聞こえづらくなってしまうのです。
自律神経というのは、一年や二年で悪くなるものではありません。十年、二十年という長い時間をかけて、少しずつ悪くなっていくものです。それだけに、本人が気づいたときには、すでにかなり悪化していたというケースが多い。
このような場合、水琴鈴スティックを使うだけでは不十分で、自律神経を整えることから始めなければなりません。
――具体的には、どのようなエクササイズをすればいいのでしょうか。
今野: とにかく全身運動をすることです。たとえば、本書でも紹介している「エア縄とび」。これは文字通り、縄を持ったつもりで縄とびをするように、その場でジャンプするというものです。
この動作は脚力だけでなく腹筋や腰の力が必要になり、肩や腕なども動かすので、全身の血流を促し、心肺機能を高める効果があります。その結果、呼吸が深くなり自律神経のバランスが整いやすくなるのです。
――最後になりますが、読者の皆様へメッセージをお願いします。
今野:耳の聞こえが悪くても、絶対に諦めないで下さいということをお伝えしたいですね。これまでお話してきように、必ず聞こえを悪くしている原因はあるものなので、それを少しずつ改善していけば、聴力は必ず回復します。
だからこそ、耳の聞こえが悪いことは決して恥ずかしいことではないという点も強調したいところです。
先ほどはご高齢の方の例を出しましたが、40代や50代でも、「耳の聞こえが悪くなった」と感じ、当院にお見えになる方は少なくありません。でも、この年代の方はつい「この歳で難聴だなんて恥ずかしい」と隠してしまうことが多いんですね。
でも、こうしたことを隠したままコミュニケーションをとり続けてしまえば、相手にしてみると「この人には自分の言っていることが伝わっているのだろうか」と懐疑心を持ったまま話すことになります。これでは人間関係が悪くなってしまいますから、その悪循環を抜け出すためにも、まずは「聞こえが悪くなっている」という現実を受け止め、まわりにもそのことを伝えるということから始めていただきたいですね。
(新刊JP編集部)