熊本でGS割り込み、食事調達…テレビ局の横暴が止まらない! (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

「僕も東日本大震災では現地で取材をしましたけれど、今回の問題については正直酷いなあ、というのが率直な感想です。ガソリンの横入りに関しては、東日本大震災の際には運送業者や自衛隊、マスコミなどが発行してもらうことができた緊急車両認定を受けると、ガソリンを優先的に入れてもらえるということがあったので、今回もそういうノリでやってしまったのかな、という予想はつきますね。食料の現地調達なんていうのはもっての他。我々が東日本大震災を取材するために際には、会社に常備してあった乾パンと、カロリーメイトのような栄養補助食品を持って行き、2週間の滞在期間中はそれだけで過ごしましたから。あとは、阪神淡路大震災の時、マスコミが仮設トイレを使用したことが問題となったので、現地のそうしたトイレは使わずに、支社などの施設に戻るまではひたすらトイレを我慢する、というのも、当時のマスコミの中で不文律として存在していましたね。やはりこちらは取材する立場ですから、それぐらいの気配りはするべきだと思いますし、大半のマスコミはそうしていると思います。今回のように一部が問題を起こすことで、マスコミ全体のイメージが悪くなってしまうというのは忸怩たる思いがありますよね」

 O氏の言う通り、大手マスコミのほとんどはマナーを守って取材を行っているのだろうし、現地の実情を伝えることで支援物資や寄付が集まり、復興への助力になる、という面があるのは確かだろう。だが、一度今回のような問題が起こってしまえば、“他人の不幸をメシの種にしている”というその行為への不満が噴出することは避けられない。

 大手マスコミは、報道機関であるということを葵の御紋のように振りかざすことなく、そのことを念頭に置いて取材を行い、彼らにしかできないことをきっちりとこなしてほしいものである。

文・橘カイト(たちばな・かいと)
※1979年島根県生まれ。編集プロダクションを経て、フリーに。週刊誌などで芸能関係の記事を執筆。また、民俗学などにも精通し、日本のタブーにも数多く取材。主な著書に『真相!禁忌都市伝説』(ミリオン出版)ほか多数。
「熊本でGS割り込み、食事調達…テレビ局の横暴が止まらない!」のページです。デイリーニュースオンラインは、毎日放送熊本地震関西テレビマスコミエンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る