元NHK記者の医師が明かす「大病院だと長時間待たされる理由」 (3/3ページ)
そこからが自分の時間で、学会発表のためのプレゼンテーション資料を準備したり、論文を読んだり。
その後、午後9時半に病院を出て、帰宅は10時半。
ただし、がんや重症の患者さんを担当しているときは、自宅にいても看護婦さんから相談の電話がかかってくることが。緊急の場合は病棟に戻らなければならず、深夜でも容赦なく携帯がなるのだといいます。
そこで緊急の出勤ができるよう、枕元に着替え一式とカバンを常に置き、連絡を受けてから10分以内に出られるようにしていたのだそうです。
医師が多い大学病院や一般病院の一部の診療科では、夜間や休日の呼び出し当番をつくって対応しているものの、著者の所属する呼吸器科のように医師が不足している科では、このように勤務は決して楽ではないのが現実。
しかし著者も書いているとおり、それは「医師にとっても患者さんにとってもむしろ害悪」であるはず。
なんとかして、こうした状況を改善していくことが急務であるようです。
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他にも医師としての立場から、治療や投薬など、さまざまな角度から医療の現実を切り取っているため、とてもわかりやすい内容。
医師との間によりよい関係を築くためにも、読んでおいたほうがいかもしれません。
(文/作家、書評家・印南敦史)
【参考】
※野田一成(2016)『患者は知らない 医者の真実』ディスカヴァー・トゥエンティワン