小泉進次郎「W選で勢力拡大?」自民党の救世主に (3/4ページ)
「進次郎氏の演説は、まず自民党批判から始めて聴衆の溜飲を下げ、次第に親近感を持たせていくのが定石と言えます」
たとえば、前回(14年)の総選挙の際は、消費税増税を先送りし、選挙に踏み切った安倍首相の政治姿勢が批判された。そこで進次郎氏はまず、「なんで今、選挙なのか、皆さん腑に落ちないですよね……私もそうなんです」と切り出したという。「演説のツカミの段階で自民党を批判する根底には、“自民党が支持されているから選挙に勝てるのではなく、野党がだらしないから自民党が勝てるだけ”という冷静な認識があるからでしょう」(前出の常井氏)
それだけではない。「ご当地ネタをうまく使い、センテンスが短く歯切れがよいのも特徴。センテンスが短いのは父親の純一郎元総理譲りですね」(前出の鈴木氏) ちなみに、自民党には“客寄せパンダ”よろしく、選挙の際に応援演説で引っ張りだこになる“5人衆”なるものが存在し、党内では密かに「ランキング」が作られているという。第2位は安倍首相。第3位は元女優の三原じゅん子参院議員。そして、稲田朋美・政調会長(第4位)、石破茂・地方創生担当相(5位)と続く。2位の安倍首相を押さえ、堂々トップに立つのが進次郎氏だ。「苦戦する北海道5区の補選で安倍総理は、北海道の地元議員の携帯番号リストを官邸に取り寄せ、自ら電話をかけています。そんな総理の切り札が進次郎氏。これまで、どのタイミングで彼を投入するのがベストか、図っていたのです」(党選対関係者)
そのタイミングは補選公示2日後の14日。新札幌駅前に、進次郎氏は姿を現した。前出の常井氏が言う。「北海道5区の補選は、進次郎氏にとっても負けられない選挙。町村氏は小泉政権の中で外務大臣として積極外交を支えた盟友だからです。当初は、進次郎氏の現地入りは選挙戦中盤、もしくは終盤といわれていましたが、序盤の14日になったのは意外でした。勝ちそうだと終盤に入って、“応援のおかげだ”と言わせ、負けそうだと早めに入って責任を回避するのが、進次郎氏周辺の考え方。これには、“党きっての応援団長が現地に入って補選を落とすようだと、衆参W選を前に彼のブランド力に傷をつけてしまう”という判断もあったはずです」 党は早々に“切り札”を切らざるをえなかったのだ。