「アイドルみたいに政治家をチェック」 若者が政治に興味を持つ意外なきっかけが面白い (2/2ページ)
」(p155-156より引用)
国会中継を見ると、居眠りをしていたり、本を読んでいたりと振る舞いが気になる政治家が出てくる。それだけではない。押し問答のような討論、効果のない政策、不信感が募るばかりだ。これからの日本を生きる若者は泥船に乗っている気分の人も少なくはないだろう。また、こんな意見もある。
「私はもともと軍事に興味がありました。今、政治史に関するゼミに入っていて、私の研究テーマが『昭和の軍部の政治介入』なんです。軍部の人間関係だとかそういうのを追っているうちに、昭和時代の政治にも興味が湧きまして、それが現在の政治にも繋がって今に至る、という感じです。」(p156より引用)
こちらは、好きなものや興味のあることが紐づいて政治に関心を寄せたという若者の意見だ。たった3人だけでも、三者三様。政治に興味を持つための導線は実はたくさんあるのではないだろうか。
■「すぐ結果に反映される」ことの大切さと落とし穴
ただ単に「興味を持て」「投票をしろ」と言われても、人は動かない。それは当然のことだ。人を動かすには、自分のこととして引きつけて考えさせられるかということが大きな鍵になる。もし仮に政治への興味に向かわせる導線がたくさんあったとしても、投票などの具体的な行動に向かわせるモチベーションを生み出す装置がなければ、結果としてそれは何も変わらない。
座談会でこんな声が飛び出している。
「最近選挙っていうと政治の選挙よりもAKBの総選挙のほうがすごく話題に上がって、あれがなんで熱狂的に支持されるかっていうと、自分が投票した子がどんどん活躍できるっていう見える成果が出るから。だからこそみんなどんどん参加して、その子を活躍させてあげようっていう気持ちになると思うんですよね。」(p171より引用)
この意見に対して、著者の宇都氏は「政治家は多くの有権者が求めていて、且つすぐ結果が出るようなものだけを選挙で訴えるようになります」(p172より引用)と、政治のポピュリズム化を懸念する。
「身近に感じる」ものを、客観的な目で判断することは難しい。それに選挙は「人気」がモノを言うものだ。知名度の高さが武器になるのは当然のことだし、そこに人は群がっていく。メディアもこぞって取り上げるだろう。座談会を通して課題が言語化されることが、考えるための大きな一歩になるはずだ。
公職選挙法の改正によって選挙権を持つ年齢が満18歳まで引き下げられる。今夏に行われる参議院議員選挙では18歳、19歳の若者たちも投票ができるようになる予定だ。
この『18歳からの政治の教科書』には、政治についてあれこれ考えるための道具が揃っている。政治家が普段何をしているのかといったところから、選挙の歴史まで丁寧につづられている。今年の夏までに18歳を迎える人も、政治が何なのかよくわからないまま大人になった人も、参考になる一冊である。
(新刊JP編集部)