お金と安定で階層が決定!80%の社会人が感じるカーストの実態
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マネー
学生時代にスクールカーストに悩まされた人は少なくないでしょう。実際、約半数の人がスクールカーストを感じていたことを、以前「20代の半数以上が感じていた“スクールカースト”の悲惨な実態」でご紹介しました。
でも、学校を卒業すればカースト社会から逃れられると思いきや、そういうわけではないようです。
社会人になってから身を投じることになるのが「社会人カースト」。
株式会社オウチーノが行った調査によると、実に80%の人が社会に出てからカーストを感じているようです。スクールカーストよりもはるかに多くの人が、社会人カーストを意識しているんですね。
では、社会人カーストはどのようにして生まれ、どのように階層が決まってしまうのでしょうか?
■「自由」が生んだカースト社会
戦後の社会はそれまでと違い、自分で働き方を決めることができる自由な時代です。平成に入ってからは、正社員以外にもフリーランスや契約社員として働く人が増え、より一層自由度が増したといえるでしょう。
しかし、自由な社会に競争はつきものです。誰もが望んだ形で働けるわけではなく、なかにはやりたくない仕事や不安定な形で働く人も少なくありません。
なんでも選べる自由は「この選択でよかったのか?」という迷いを、競争は「蹴落とされるかもしれない」という不安をそれぞれ生みます。こうした悩みが自分と誰かをくらべる原因であり、社会人カースト誕生の根幹にあるものではないでしょうか?
スクールカーストの根底にも「誰かと一緒でなければ安心できない」という不安がありました。大人になっても、不安や悩みを解消するため他人と自分をくらべてしまう人が多いのかもしれません。さらに、昨今の不況がそのような傾向に拍車をかけているのでしょう。
では、カーストを決定するものはなんなのでしょうか?
スクールカーストは外見やコミュニケーション能力で階層が決まっていましたが、社会人カーストでは異なる基準が存在するようです。
■お金と安定でカーストが決まる
冒頭で触れた株式会社オウチーノの調査で「自分はどの層にいると思いますか?」と質問したところ、「最上層」と回答した人が12.8%、「上層」が 13.4%、「中層」が 32.1%、「下層」が 14.8%、「最下層」 が 7.0%、「『社会人カースト』はないと思う」が 19.9%という結果が出ました。
それぞれ理由を聞いたところ、すべての階層で「給与」という声がもっとも多かったそうです。
具体的に、上層と答えた人は出世の早さや高収入を、下層の人は収入が安いことや昇給しないことをそれぞれ理由に挙げたようです。下層の人からは、不安定な生活に対する不安の声も聞かれました。
また、中層の人からは「平均的な生活を送っているから」という声が最も多く聞かれたとのことです。
社会人カーストは「お金」と「安定」というステータスで決まるようです。他にも役職や肩書、会社名、仕事ができるかどうか等も階層を決める要因になっています。
上層部に位置する人は人よりも豊かな生活を送ることができ、他人に会社名や肩書をいえば「すごい!」と思われます。一方で下層と答えた人はそんな上層の人と自分をくらべてしまい、コンプレックスを感じてしまうのでしょう。
社内でも同期との昇進のスピードの違いや、成果の大小などを比較してしまうことがあるのではないでしょうか?
社内・社外問わず、ついつい自分と他人のステータス比べてしまうことが社会人カーストの原因だとういうこと。
しかし、ひとつ疑問が残ります。社会人カーストは働いてお金を稼いでいる人の間だけに存在するのでしょうか?
■社会人カーストは主婦にもある
社会人カーストは働きに出ていない主婦などのなかにも存在するようです。ドラマなどでよく見る光景が現実にも起こっているんですね。
カーストを決めるのは夫の収入や子供の成績、どんな場所に住んでいるかまでも格づけに使われるそうです。家族のステータスが自分のステータスになるという、不思議な世界です。下位層の人に対してイジメを行うなど、深刻なトラブルに発展することもあるようです。
主婦の方にも不安や悩みがあるのは当然ですが、それを自分と他の人とくらべることで解消しようとするのは働きに出ている人と同じであるようです。
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自分と他人のステータスを見くらべて一喜一憂することに意味はありません。にもかかわらず、「他人より優位に立ちたい」という気持ちに負けてしまった結果、自分の周囲で社会人カーストが生まれているのかもしれません。
調査で「社会人カーストはない」と回答した人はその理由として、「人それぞれだから」「自分なりの生き方を知ったから」 「相手に干渉しないから」などを挙げていました。
自分の人生は自分だけのもの、誰かとくらべる必要はありません。ステータスに縛られることなく「自分らしい生き方」を見つけることが、無益な社会人カーストを抜け出す術ではないでしょうか。
(文/堀江くらは)
【参考】